加齢によって衰えない器官は無いが、筋肉だけは鍛錬で増加させることができると知れわたり、それが健康維持に効果があると、広く世の中で信じられてきた。
やつがれもロコモティブシンドロームとかサルコペニアとか、おどろおどろしい名称の筋肉量減少に起因する病気を怖れ、簡単な筋トレを生活に取り入れていた。特に山登りを罷めてからは、その分の運動不足を補うためもあって、励行していた。
ところが迂闊にも、ストレッチを軽視してしまった。静的ストレッチは面白味が無く、多少の痛みも伴う。それで敬遠していたら、筋肉の柔軟性が衰え身体が次第に硬くなって来た。筋肉は鍛えれば減らないが、それによって疲労物質の産生は増える。老体はそれが溜まり易い。疲労物質を速やかに筋肉から取り除くには、ストレッチが欠かせなかったのだ。何事も手抜きはいけない。
実はストレッチは、筋トレと一体で行う性質のものだった。好悪の問題ではない。老人は筋トレにかけるより多くの時間を、ストレッチに割かなくてはならないと、遅ればせながら気づいた。
ストレッチはベッドの上がやり易い。
好みの音楽を聴きながらなら、なんとか気が紛れる。
入眠する前に、骨盤周りのインナーマッスルや四肢の骨格筋のこわばりを緩めると、血行が良くなって熟睡できるようになった。体に痛いところがあっては良い睡眠はとれない。老人の早い目覚めは、痛みに因るのではないかと考えた。
翌朝目覚めて痛い部分があったら、そこを重点的にストレッチしてから起床することにした。昼寝をする時も、その前にストレッチ。何だか生活時間のうちの大部分を、ストレッチが占めるようになっている。コロナで自粛の身の気分転換には好いと思う。
ストレッチの方法は“YouTube”に、筋肉と骨格との解剖的概念図は“Pinterest”に、実に懇切丁寧に解説されている。情報をアップしてくれている諸先生方には、この場を借りてお礼申し上げます。
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