寒さが日増しに募るこの時季、咲き遅れの柊の花を見た。迂闊なことに、これまで柊の優雅な花を見たことがなかった。あの鋭い棘のある葉を敬遠する気持ちが、この木に花があることを想わせなかったのだろう。
よく見なければ見落としてしまいそうな直径5ミリほどの、4裂した白い花冠が枝の中ほどから直接束生し、爽やかな芳香を放っていた。
この花は晩秋から初冬にかけて咲き、冬の到来を告げるという。立春目前の今咲いているのは不思議だが、短時日に一斉に咲くのでなく、冬の全期にわたって花をつける性質らしい。
俳句を能くする先輩に教えてもらった柊の句。
柊の 花と思へど 夕まぐれ富安風生
妻も老い 柊咲くと 囁ける加倉井秋を
季節の花は柊から椿に替わり、梅の蕾も綻び始めた。
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