常にはあまり見かけないコガモが2羽、水深10センチばかりの平瀬の岸際をゆっくり遡っていた。岸辺から水中に垂れた草を食べているらしい。5メートルほどの近距離だったが、カメラを向けても平然としている。他の場所では、警戒して人に近づかないのだが・・・・。
佐鳴湖の〈ひょうたん池〉まで行ってみると、岸辺で網を使っている人と竿を垂れている人とが居た。網で掬っているのはモエビ(正しい種名かどうかわからない)とかで、鑑賞用に飼うのだそうだ。朽葉に混じって透明なモエビと5センチばかりのブルーギルの稚魚が見えた。
その人は、特定外来生物のブルーギルを、池に戻さず芝の上に捨てていた。北米原産のこの魚、成魚は20センチにもなるらしい。
半世紀前に〈伊東の一碧湖〉に放流されたのが始まりで、それが現在では全国の湖沼で繁殖し、各地で駆除に苦心しているらしい。この人工池で稚魚が獲れるということは、佐鳴湖にも成魚が居るのだろうか?ライギョ・ソウギョ・ブラックバス・ブルーギル等々、外来魚の種類は増えるばかり、駆除の困難さは計り知れない。
いったんこの国の自然環境に適合または適応してしまった外来生物を駆除するということには、悲観的にならざるを得ない。旺盛な繁殖力と適応力を具えているのだから始末が悪い。
釣りをしている人の方へ行ってみたら、今日はまだ一尾も釣れていないと嘆いていた。コイ・フナを狙っているのだそうだ。この人は、ブルーギルを釣る気はないらしい。
ブルーギル専門に狙う釣り師で佐鳴湖が賑わえば、そして釣った魚をリリースしなければ、少しは繁殖をくい止めることができそうだが。
それには、その釣りが面白くなければならない。あの小魚のタナゴを釣る竿と仕掛けを考案し、タナゴ釣りの分野を拓いた江戸時代の趣味人に学び、ブルーギルをブラックバス並のゲームフィッシュに仕立てることはできないものだろうか?
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