静岡県内の私鉄線、天竜浜名湖鉄道の佐久米駅へ行った。此処はプラットホームが浜名湖に面しているので、ユリカモメが秋から冬にかけて多数集まる。それを観光の売りにしている鉄道駅だ。
車両が到着するたびに、餌付けされたユリカモメが多数集まる。私が行ったときには100羽ぐらいが群がり、観光客の頭の周りを翔び回っていた。
餌を与えている人がいた。天浜線ユリカモメ・ボランティアのIDカードを首にかけている。近くの寿司店のご主人らしい。
ユリカモメを語るとき「この子たち」と言っていた。いたくカモメを可愛いく思っているに違いない。カモメがうまく撮れるよう、観光客にポジション、アングルを懇切に指導してくれている。カモメが殺到するシーンの演出は、なかなかのものだった。
ユリカモメは翼長が長いから、滞空に有利なのだろう。私の頭の直ぐ上でホバリングしながら、帽子にソフトランディングしたり、タッチアンドゴーを繰り返す。水鳥の足は水かきがあり、それを開いて着地するから頭にはなんの衝撃も痛みもない。静かに鳥の重みが加わるのを感じるだけだ。航空機で謂えば、VTOL機のように巧みな離発着である。
これが同じぐらいの重量の鳩だったら、こうはいかないだろう。ドシンとハードにランディングして、足の爪で頭を掴むに違いない。帽子が無ければ、頭皮が破れて出血するだろう。
まさかユリカモメのテイクオフとランディングを、自分の頭で確かめることになろうとは、思いも寄らなかった。想像したことのない愉しい体験で、ユリカモメに格別の親しみを覚えた。
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