段子川沿いの散歩道にススキの穂が靡く。台風の去った空は青さを増していた。
どこからか甘い香りが漂ってきたが、すぐには何の匂いかわからなかった。よく確かめると、川岸のネットフェンスに絡んだセンニンソウの花の匂いだった。キンポウゲ科の草で、花弁に見えるのはガクだという。昨年、寓居に近い馬込川沿いでこの花を見たときは、地表で咲いていたので香りを覚えることができなかった。
香りは佳いものの、この草もキンポウゲ科に多い毒草で「馬食わず」の別名があるらしい。キンポウゲ科には、とりわけ花の美しいものが多い。綺麗な花にトゲ程度なら、どうということはないが、毒となるとたじろぐ。美しさも毒も、植物が身につけた生存のための進化の妙、ただ感服するほかない。
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