日本酒を飲む時の決まり文句に「ちびりちびり」というフレーズがある。
私は若い頃は、酒類を「ちびりちびり」飲むのは好きでなかった。何か潔くない見苦しい飲み方のように感じていたのだろう。為に、悪酔いしたこと数知れず・・・
老人になって、日本酒とそのアテ(肴)の多彩さを知ってみると、「ちびりちびり」飲むことが、最も日本酒の飲み方として理に叶い、体にも良い飲み方だとわかるようになった。
箸の先で、ごく少量の珍味佳肴を摘み、盃の酒を「ちびりちびり」飲むとき、日本人に生まれた幸せを痛感する。若い人たちは、いかにも年寄りじみた飲み方と嫌うかも知れないが・・・
私たち老人は、もう量は飲めないから、「グイッ」とか、「グビグビ」はいけない。だから私はもはやぐい呑みやコップで酒を飲むことはない。「ちびりちびり」は小盃に限る。
カクテルグラスにも、杯の形をしたものがある。スピリッツの比率が高いドライなカクテルは、あっという間に酔いが回るから、酒に強い人種であっても、「ちびりちびり」飲むことになるのだろう。
要するに「ちびりちびり」は、量を過ごさない為の、堅実な飲み方である。
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