久し振りに雪道を歩いた。峠へのス
ノートレッキング。空は晴れ上がり、前日までの強風も止んで、小鳥が裸木の梢の間を翔び交っている。早朝のスタート時は-10℃だったというのに、小鳥の鳴き声が春めいて感じられるのは、正月なればこそ。
人が歩きやすい場所は、獣にとっても同様のようで、冬期閉鎖中の県道は、彼らの歩行者天国と化していた。雪の上には足跡が縦、横、斜めに走っている。キツネ、ノウサギ、シカ・・・。他に何か種類が判らない足跡もある。
足跡の主をあれこれ推理しながら歩き進むうち、無雪期にはついぞ意識しなかった獣達への親近感が、勃然と湧いてきた。私も此処では、彼らと同じ動物の中の一頭ではないかと。銃を持って山に入れば、人間は獣と同じ動物ではない。別の生物だ。
月明かりの下で、私の足跡(スノーシューだから、雪男とかイエティの足ぐらいはある)を見て嗅いで、訝る獣達たちの姿を想像し、可笑しいような申し訳ないような気持ちを抱いて、里への道を下った。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます