雨上がりのみろく苑、久し振りにお猿さんが大勢来苑してくれた。こっそりと猿達の話を盗み聞きしてみると。
「お前も年かな~、随分白髪が増えたね」
「何に言ってるのよ、のんびりして居る様でこれでも結構苦労が多いのよ」
「そうかな~、」
「あなた、結構メタボじゃない、菰野富士は食べ物が多いから食べてばかりでしょ、一寸は運動したら」
「たまにはゆっくりさせてよ、これでも家族の事思って必死なのだから、判って欲しいよね、男は辛いよ」
誰でも自分を認めて欲しいのは人間も猿も同じ。
「ねえ~あなた、人間社会は少子化で子供が一夫婦で1、3人らしいよ、我家は子供が六匹も居るのに」
「人間社会は子供を一人産まれてから大学を卒業させようと思うと億と云う大金が掛かるから大変みたい、だから子供育てるより自分達が楽したいみたいだよ」
「産婦人科の先生も勤務が過酷でやる人がいないみたいよ。私なんか六匹も産んでも一人でお産したのに、人間ってどうなっているのかね」
「人間社会は政治も不安定だし、よく判らないな~、猿の社会はボスが一人我々を守ってくれるから安心だ」
「何言ってるのあなた、しっかりしてよ、子供が六人も居ると猿の世界も生存競争が激しいのだから」
「何処の世界も女性は強いよ、頭が下がる(独り言)」
のどかそうに見えてはいるが裏の生活は何処も必死です。
サルが多産なのは野生での天敵や危険の多さからなのでしょうね。
立派な親に成長するまでに一部は淘汰されることを念頭において。
しかし、
厳しいとは言うものの民家近くまで行けば年中食料には事欠かないし、危害を加える点滴も少なくなった。
生まれた子供はみんな育つ。
食料の確保に躍起になるが故に更に行動エリアは人家にまで及ぶ。
サルの世界こそ産児制限をして欲しい。