大野威研究室ブログ

おもにアメリカの自動車産業、雇用問題、労働問題、労使関係、経済状況について、最近気になったことを不定期で書いています。

大手ハイイールド債ファンドが清算へ

2015年12月12日 | 日記

 2015年12月9日、米大手ファンドサードアベニュー(Third Avenue Management Fund)は、ハイイールド債ファンドを清算すると発表した。発表によれば、同ファンドでは顧客による換金要求が増えているが、それに応じると安値で資産をたたき売りしなければならないため、資産保全の観点から顧客による換金を停止するとされている。米メディアは12月11日(金)になって相次いでこの事実を報道。波紋が広がっている。 

 12月11日付のニューヨークタイムズ等によれば、サードアベニューは80億ドル(約1兆円:1ドル=120円)の資産を運用する大手ファンド。今回清算されるのは、Third Avenue Focused Credit Fundと名付けられたハイイールド債ファンド。過去1年間の運用成績は-20.52%(U.S. Newsのデータによる)。こうしたことから、同ファンドでは資金流出が続き、かつては25億ドル(3千億円)の運用資産が最近では7.88億ドル(950億円)まで減少していた。

 これまでハイイールド債などに対し、流動性が低く、売りが殺到すると市場がそれを吸収できず金融市場に大きな混乱が生じる可能性が指摘されてきた。今回の出来事は、そのことを思い出させてくれるものだった。

★ 上の記載内容については吟味しているつもりですが、引用元の誤りを含め、上記の記述内容、数値に誤りがないことを保証するものではありません。