2019年4月29日(月)、アルゼンチン中銀はアルゼンチン・ペソの下落をくいとめるため今後は自由に為替相場に介入すると発表した。
2018年の半ば、米利上げなどをきっかけにトルコやアルゼンチンなど新興国通貨の急激な下落がしょうじた。
その後、アルゼンチンについていえば、IMFの緊急融資、政策金利の70%超への引き上げなどをうけペソは10月ごろには下落がとまり、今年の2月ぐらいまでは小康状態が続いていた。
しかしその後ふたたびペソ安が始まり、現在、2018年の危機時をこえてペソ安が進むにいたっている。
フィナンシャルタイムズは、その背景として緊縮財政、規制自由化をすすめながらインフレを抑制できないマクリ大統領の人気が低下し、今年10月におこなわれるアルゼンチン大統領選挙で、左派のキルチネル前大統領がかえりざく可能性が高まっていることを指摘している。ちなみにアルゼンチンの2019年3月のインフレ率は54.7%。
こうしたなか、アルゼンチン中銀はこれ以上の通貨安をくいとめるため、政策金利をふたたび70%をこえる水準に引き上げるとともに、今回、あらたに自由に為替介入をおこなうことを決定した。
従来は、一定の為替レート内におさまっているかぎり為替介入はおこなわないとしていた。
フィナンシャルタイムズは、今回の為替介入の決定はIMFからも承認を受けているとしている。
出典:アルゼンチン中銀(一部加筆)
アルゼンチン通貨ペソが、ふたたび急落 (2018/8/30)
IMF、アルゼンチンに500億ドル(5.5兆円)の融資枠を設定(2018/6/8)
アルゼンチン、IMFに信用供与求める(2018/5/9)
アルゼンチン、政策金利を40%に引き上げ(2018/5/5)