2018年11月14日(水)、スウェーデン議会で穏健党のクリステルソン党首の首相指名投票がおこなわれ、195対154で否決された。
穏健党のほか反移民政党であるスウェーデン民主党が賛成したが、スウェーデン民主党との協力を強く拒否する中道右派の中央党とリベラル党が反対したため過半数の賛成を得られなかった。
フィナンシャルタイムズによれば、中央党とリベラル党は中道右派連合に中道左派の緑の党を加えた連立政権の樹立を主張しているが、緑の党の支持を得られるか不明なうえ、緑の党が加わっても過半数におよばず少数政権になるという問題がある。
スウェーデンでは4回、首班指名が失敗すると再選挙がおこなわれることになっており、再選挙の可能性がでてきた。
ただ、スウェーデンでは9月におこなわれた総選挙後、反移民のスウェーデン民主党の支持率が上昇している。ブルームバーグによれば選挙でのスウェーデン民主党の得票率は17.1%だったのが直近の世論調査では同党の支持率が21.1%に上昇している。
再選挙がおこなわれればスウェーデン民主党が議席を増やす可能性が高いため、主要政党の間で選挙を回避するためなんらかの妥協が成立する可能性が依然高い。なおしばらくスウェーデンの様子に注意していきたい。
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