2019年5月1日のウォールストリートジャーナルは、来週末(5月10日)までに米中貿易協議の大枠が決まる可能性があると報じた。
米中貿易協議の現在の争点は、(1)合意の履行がおこなわれなかった時の対応、(2)現在の関税の撤廃時期の2つ。
(1)について。これまでアメリカは合意の不履行があった場合、米中当局が話し合いをおこない、それでも解決しなければアメリカが一方的に関税を課す(中国には報復関税をみとめない)ことを主張し、中国から主権侵害とつよい反発を受けてきた。この点については、2019年4月23日のブルームバーグが、合意の不履行などがあった場合、アメリカが米中双方にそれぞれ一方的に関税をかける権利を認める可能性を示唆した。これが本当であれば問題解決である。ただその後、私のしるかぎり他社から同様の報道は出てきていない。
(2)について。ウォールストリートジャーナルは、アメリカが最初に課した500億ドル(5.5兆円:1ドル=110円)の関税が中国からの輸入の約10%に相当することから、米中双方が輸入総額の10%の関税をのこす(中国は130億ドル)ことが検討されているとしている。
同紙はまた、中国政府による企業への補助金についてはまだ話し合いがまとまっていないが、一部のクラウドコンピュータについて中国が外資100%を認めるなど一定の進展があったとしている。こうした交渉の進展をうけ、WSJ紙は来週末(5月10日)までに米中貿易協議の大枠が決まる可能性があるとしている。
「まもなく交渉妥結」という報道はこれまでたくさんみてきたが、どれも実現しなかった。はたして今回はどうなるのか。来週ワシントンでおこなわれる米中協議のゆくえに注目したい。
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