現在、アメリカの民主党はリベラルな北部で高い支持をえ、共和党は保守的な南部で高い支持をえている。
しかし、昔は逆だった。
南北戦争で奴隷解放のため戦ったのはリンカーン大統領ひきいる北部の共和党。
南部の民主党は合衆国から独立して奴隷制度を維持しようと北軍と戦った。
この関係が南北戦争後、逆転して今にいたっている。
このような政党の劇的な変化がふたたびおこりつつあるのであろうか。
アメリカではこれまで長く、民主党が労働者の代表と思われてきたが、ウォールストリートジャーナルは共和党が白人労働者に大きく依存するようになっていると指摘している。
同紙とNBCの共同調査によれば、2018年において共和党員の59%が白人労働者(2010年は50%)。
選挙区を住人の所得水準で上下ふたつにわけた場合、共和党は所得の低い方の選挙区で58%の議席を獲得(10年前は39%)。逆に、所得の高い方の選挙区では34%の議席獲得にとどまっている(10年前は43%)。
共和党は郊外に住む富裕層を代表する政党と思われていたが、そうした層の支持が低下し、中間ないし低所得の白人労働者の支持が伸びている。
WSJ紙は、共和党は中・低所得の白人労働者、人口の少ない地域に大きく依存する政党になったとしている。
こうした支持層の変化を理解すると、トランプ大統領のもとで共和党がこれまでの政策とは真逆の保護貿易主義や反グローバリゼーションの主張をおこなうようになったことがよく理解できる。
問題は、これが一時的なものか、長く続くものかどうか。この点については、トランプ氏の次に誰が共和党の大統領候補になるかで判断がくだせそう。