9月9日(日)に予定されているスウェーデンの総選挙が欧米メディアの注目を集めている。
焦点は、反移民をとなえるスウェーデン民主党(源流はネオナチ政党)がどこまで票を伸ばすか。
EU統計局のデータをみると2016年におけるスウェーデンの移民受け入れ数は約16万人。人口(約1千万人)比からすると、ヨーロッパの中でも受け入れが多いグループに属し、近年、幅広い階層で反移民感情が高まっている。
こうした中、世論調査によってはこれまで約1世紀、第一党の座を守ってきた社会民主党にかわって民主党が第一党になるという結果も出て、選挙結果に世界から大きな注目が集まっている。
ただ、支持率の低迷が続いていたスウェーデン社会民主党(現在の少数与党)は、最近になって移民抑制に大きく舵をきり、支持率が持ち直しつつある。対照的に、スウェーデン民主党の支持率は選挙を前に低下傾向にあり、第一党になることは難しい状況になってきている。
こうした寛容な移民政策のみなおしは欧州各地で生じている。
デンマークでは、社会民主党が反移民政党との閣外協力をみとめる歴史的転換をおこない支持率アップ。来年夏の選挙で政権を奪い返す勢いとなっている。
ドイツでも最近、旧東ドイツのケムニッツで、移民容疑者による殺人事件に抗議するネオナチの反移民デモがおこなわれ、これに約6千人が参加して街頭をおおい尽くすという、少し前であれば絶対に考えられないようなことがおこっており、寛容な移民政策を推進してきたメルケル首相への批判が日に日に強くなっている。
とにかく9月9日の選挙結果に注目したい(現在の情勢では、中道左派連合の支持率が中道右派連合をわずかに上回っているが僅差である)。