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肉食の系譜
恐竜王国2012 内覧会 その1
今年は取材という形で内覧会に参加させていただきました。広報担当のディップス・プラネットの皆さん、恐竜倶楽部の若宮会長、ありがとうございました。
まあ、白亜紀前期のコエルロサウルス類から始まった「羽毛帝国主義」が領土を拡大している最中です。三畳紀のエオラプトルなどの時代からすっかり羽毛になっている。羽毛の起源が従来の推定より古く、よって羽毛の分布が広くなってきた最近の流れは確かなのでしょうが、三畳紀にさかのぼる根拠は、鳥脚類ティアニュロンか。初期の恐竜から既に羽毛という説はかなり以前からあったが、それが定着するのだろうか。
ヘレラサウルスも原羽毛で覆われてしまったか。個人的には抵抗があるなあ。そうすると「地球最古の」で描かれた恐竜、ワニ類、哺乳類の共存した時代も、恐竜は羽毛で、二足歩行のラウイスクス類はウロコで描き分けられるようになるのか。(それとも翼竜の毛を考慮すると地上性のワニ類にも羽毛を?)
青い鳥のようなコエロフィシスの群れ。青い羽毛というのは高度に発達した構造色なので、ふさわしくないという意見も聞かれました。私は色については想像なので、センスの問題だと思いますが。現生の鳥類に合わせ過ぎの感はあります。
それよりも「羽毛恐竜コエロフィシス」というパネルのタイトル。「羽毛恐竜」という用語は、実際に化石に羽毛の痕跡が発見されている種類に用いられてきたはずです。羽毛の痕跡が見つかっているものと、そうではなく系統上の位置から推測されるだけのものとは、やはり区別されるべきでしょう。「羽毛恐竜コエロフィシス」という書き方をしたとたんに、羽毛の存在が既成事実として受け取られる恐れがあるからです。
ただ、ディロフォサウルスの所にある「ジュラ紀前期の羽毛の跡」は非常に重要ですね。必見です。
ケラトサウルスまで陥落すると、アベリサウルス類も時間の問題か。しかし、展示説明にもあるが、これらを羽毛で覆うのはケラトサウルスの背中の皮甲やカルノタウルスの皮膚の痕跡とうまく合わないような気がする。
多くの恐竜は、羽毛を形成する機構とウロコを形成する機構の両方を備えていて、成長段階や環境に応じて使い分けていた、というのが無難な考えではないだろうか。
(続く)
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