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肉食の系譜
Wikipediaの記述について
ウィキペディアを100%信じる人もいないだろうが、参考にはなるものである。恐竜に関しては通常、日本語版よりも英語版の方が信頼でき、非常に適切な記事も多い。そもそも情報量が違う。日本語のヤンチュアノサウルスの記事は現在、5行ほどしかなく、参考文献がポケット図鑑などという状態である。英語版ははるかに充実していて、複数の原著論文を引用している。
ところが、5月26日現在、英語版のWikipedia でYangchuanosaurusの記事を見ると、ジュラ紀中期と書いてある。しかもマメンチサウルスやオメイサウルスと同時代とある。なぜそうなっているのか不明である。他には変なところはない。
Carrano et al. (2012) を引用して内容をしっかり説明してあるので、現在ではジュラ紀中期から後期というべきだろう。ヤンチュアノサウルス・ジゴンゲンシスだけがジュラ紀中期 (Xiashaximiao Formation)で、シャンヨウエンシス(マグヌス、CV00214含む)はジュラ紀後期(Shangshaximiao Formation)のはずである。Shangshaximiao Formationは、 Carrano et al. (2012) によるとオックスフォーディアンから初期キンメリッジアンとある。
ちなみに、Metriacanthosauridae の記事にはメトリアカントサウリダエの共有派生形質が書いてあるが、12個のうち1個抜けている他に、2箇所誤りがある。arm+forearmのところと、ilium ではなくischium の断面である。メトリアカントサウリナエの中にも1箇所ある。
このように、専門的な記述で埋まっていると誰もチェックしなくなり、誤りがそのままになっていることは問題である。
文章を書く立場としても、注意しなければならないと考えさせられた。
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