ペンギンのひとりごと。

とにかく何事にも好奇心旺盛なペンギンのひとりごと。

人生初のレコーディング体験。(その8)

2022-12-25 20:33:35 | コンガ(バンド活動)
●ボーカリストはサラリと流す。

この日のトリはボーカリスト。

ギタリストが30年前のメジャーデビューで誘った彼は、
私たち同級生よりもちょうど10歳下になる。

彼はその後一般企業に就職し、
今は重要な役割をこなしながら
我がバンドに参加してくれている。

彼のすごいところは、
ベーシストが書いた詩を
割と短期間で覚えやすいメロディーに
仕立て上げる能力だ。

まだあと2回レコーディング日があるので、
この日はマスクをしながらポイントをチェックするように
軽く流していたが、やはりその着目点は鋭い。
同じ箇所を何度も歌い直しては、
コーラスの入れ方などを思案していた。

いよいよ来週は全体のサウンドチェックだ。

(その9に続く)
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人生初のレコーディング体験。(その7)

2022-12-25 18:10:49 | コンガ(バンド活動)
●ギタリストの職人気質に感心。

私の次はギタリストだ。(画像)

彼は音楽の道に進んでから、
数えきれないほどのレコーディングをしてきているし、
自宅にも立派な録音設備があるので、
ここでの演奏にはさほど力は入っていないようだった。

それでも気になる箇所や新しいアイデアが浮かぶたびに、
何度も演奏をやり直しチェックにも余念がなかった。
それはまるで伝統工芸か何かの職人のようで、
未経験者である私とベーシストは、
感心しながら眺めるしかなかった。

この日もあっという間に時間が過ぎ、
朝から始まったレコーディングは
夜に差し掛かろうとしていた。

そして最後にボーカリストが歌うことになる。

(その8に続く)


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人生初のレコーディング体験。(その6)

2022-12-25 15:20:53 | コンガ(バンド活動)
●私の出番は意外にあっけなく終了。

ライブとレコーディングではどちらが緊張するか?
これは圧倒的にレコーディングだ。(私の場合)

なぜかといえば、
ライブは目の前に観客がいて一体化できるし、
あまりシビアに聴いている人はおらず、
ちょっとのミスはご愛嬌ということになる。
(これまでのライブ経験)

しかし、レコーディングでは、
全員及びエンジニアが耳をダンボにして聴いているし、
ちょっとのズレもコンピュータに感知されてしまう。
特にコンガのようなアコースティックな打楽器は、
ちょっとしたタッチの差で音色が変わってしまうので、
同じ音色を出し続けるのは非常に難しいのだ。
デジタルで修正できることは分かっていたが、
なるべくそのお世話にはなりたくなかった。

しかし、出番までの1週間は仕事が忙しく、
練習する時間が取れなかった。

そして、あっという間にその日が来てしまった。

ドラマーは腰を悪化させこの日は来なかった。

自前のコンガをケースから取り出し、
所定の位置にセットする。
ライブではあまり気にしないチューニングを
入念に行った。

次第に緊張が高まっていく。

でも私は本番に強いのだ。
と自分に言い聞かせる。

実際、これまでのライブでは、
常に練習よりもうまくやれていたと思う。

そしてレコーディングが開始された。

力を入れるな、脱力しろ。
自分に言い聞かせる。

アップテンポの1曲目がなんとか終了した。
そしてサウンドチェック。
録音ブースの中でみんなの意見を聞く。

すると、ギタリストから、
サビの前に派手なおかずが欲しいねえ。
と勝手な希望が出た。

私はフレーズを瞬時に考えながら、
腕の動きを確認した。

OK!
じゃ、その箇所の1小節前からもう一度出してください。

自分でも驚くようなフレーズを出すことができた。

また、録っては聴き録っては聴きを繰り返してゆく。

そして、2時間後、私の出番が終了した。

いやあ、良かったよ〜!
の声にホッとした。

コンピュータでもズレは一箇所も見当たらなかった。

(その7に続く)






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人生初のレコーディング体験。(その5)

2022-12-25 14:53:38 | コンガ(バンド活動)
●デジタル録音は超便利。

レコーディング未体験のベーシストの
録音が開始された。

彼はかなり緊張しているよう。

1曲終わったところでサウンドチェックをしてみると、
リズムが微妙にずれている箇所があった。
だが、デジタル録音は便利なもので、
コンピューター画面には1秒の数分の1までズレが表示され、
マウスをちょっと動かすだけで瞬時に修正ができてしまうのだ。
音程も同様で、音の高低の微妙なズレは簡単に直ってしまう。

結構名の売れているアイドルなどは、
こういった修正だらけらしく、
ライブが心配になるという。

また、録っては聴き録っては聴きを繰り返してゆく。
レコーディングは長時間の集中力が必要なのだと分かった。

そして数時間後、ようやくベーシストの録音が終了した。
朝10時過ぎから始まったレコーディングは、
20時近くになっていた。

来週はいよいよ私の出番だ。

(その6に続く:画像はレコーディング機器の一部)




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人生初のレコーディング体験。(その4)

2022-12-25 12:34:41 | コンガ(バンド活動)
●録っては聴き録っては聴き。

ドラマーは高校以来、
さまざまなバンドをずっと続けてきており、
ビートルズからジャズまでレパートリーも広い。
中にはプロ志向のバンドもいくつかあったようで、
レコーディング経験もある。
バンドの足腰を固めてくれるありがたい存在だ。

彼は超几帳面な性格で、楽譜は注意書きだらけ。
ラフ演奏とクリック(デジタルメトロノーム)を聴きながら、
無難にたたけているようだ。

そして1曲終わるごとにサウンドチェック。
何小節目の何拍目が気に入らないからもう一度。
といった具合で着々と進んでいった。

彼の腰の具合が心配だったが、
なんとか4曲叩き終わり放心状態。
素晴らしい演奏にみんなから拍手が起きた。

そして次はベーシスト。
彼も音楽活動は長いが、
レコーディングは今回が初めてだ。

さて、うまくいくだろうか。

(その5に続く)
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人生初のレコーディング体験。(その3)

2022-12-25 08:55:38 | コンガ(バンド活動)
●ドラマー危機一髪。

レコーディングにはさまざまな方法がある。

理想的なのは大きなスタジオでバンド全員の演奏を1回で録音するもの。
この方法はライブに近く、一体感も緊張感も出せるが、
メンバー全員の力量やバランスがモロに出てしまうのでかなり難しい。
また、大きなスタジオの高価なレンタル料や、
エンジニアの経験、技術も重要となる。

現在一般的なのは、
あらかじめギター、ボーカル、リズムマシーン等で
基本的な部分をラフ録音しておき、
メンバーは各自それを聴きながら、
ひとりずつ演奏したものを重ねて録音していく方法。

ギタリストの自宅には、
24チャンネルミキサーや音楽作成ソフトもあり、
この方法で数えきれないほど曲を作ってきたということで、
バンドもこの方法で録音することにした。

利用したのは中野の小さなスタジオ。
こちらはギタリストが長く付き合いのあるスタジオで、
あらかじめ録音されたパート別の音源を、
編集、加工ができる設備が揃っている、
全員が一緒に演奏するような部屋はなく、
ひとり、ふたりが演奏できる防音室があるだけだが、
誰もが知るアーティストやアイドルの作品を
編集、加工することもよくあるという。

8月のある日、まずはドラムを録音することになった。
ドラマーは自分のセットを持ち込んだ。、
ドラムの数多いパーツをケースから取り出し、
メンバー全員で手伝いながら組み立てていた時、

痛つ、やばい!

とドラマーの声。

一番大きなバスドラムをケースから取り出す際、
腰を痛めてしまったよう。

えー! 大丈夫!

ドラマーは以前にも腰を痛めたことがあり、
またやってしまったようだ。

うわあ、今日4曲叩かなくちゃならないんだよねえ。
無理しないで次回にしようか。
熟年バンドにありがちなトラブルだなあ。

幸いしばらく休んだ後、
ドラマーはいけそうだということで
レコーディングが開始された。

(その4に続く)









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