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今日は帝劇 明日は日劇 はたまた国技館に後楽園ホール さらには落語家の追っ掛け 遊び回る日常を描きます。

篠田節子「鏡の背面」

2019-03-05 10:16:42 | 日記
篠田節子さんの「鏡の背面」です。

皆から 「聖女」と崇められていた小野尚子という女性が、火事に巻き込まれ 焼死してしまう。
それも、他の人を助けた後、自ら犠牲になって。
「聖女」の名にふさわしい最期。

が、彼女の焼死体を確認していた警察から、とんでもない情報がもたらされる。
「死体は、小野尚子ではない」
歯型から分かった事実。
では、亡くなった女性は、誰なのか?
本物の小野尚子は、どこにいるのか?

彼女が、私財を投げ打って 恵まれない女性の面倒を見ていた「新アグネス寮」
そこのスタッフである木村絵美子。
かつて小野尚子にインタビューしたことのある ライターの山崎知佳。
彼女たちが 中心となって 正体探しが始まっていきます。

500ページを超す長編。
寮のある軽井沢
かつて何度か小野尚子が出かけたことのあるマニラ
などが舞台になっています。

分かってきた真実。

小野尚子として亡くなった女性は、半田明美という人間。
この女性 聖女とは間逆の過去を持っていた。
では なぜ 誰にも疑われず 小野尚子になりすますことが出来たのか

というお話。

篠田節子さんらしい骨太の小説。
一気に読んでしまいました。
ラストへ向かっての加速ぶりは、さすがでした。