東銀座の東劇で「シネマ歌舞伎」観てきました。演目は「野田版 研辰の討たれ」2005年5月に歌舞伎座で上演されたもの。3か月にわたった歌舞伎座での「中村勘三郎襲名披露興行」の時の作品です。脚本 演出は野田秀樹。
物語は、守山辰次(勘三郎)という刀研ぎ師上がりの武士が主人公。「研ぎ師上がり」と、他の武士からバカにされる辰次だが、当人も、まったく剣術の腕を磨く気もなく、ただ、奥方(福助) 殿様へのお追従で、生き延びる日々。このあたりの口八丁 手八丁の見事さは、さすが勘三郎。
ある日、奥方の前で、家老・平井市郎右衛門(三津五郎)に剣術指南を受け、打ちのめされる辰次。奥方の前で恥をかかされたと遺恨に思い、闇に乗じてカラクリを使った報復を思いつくが、そのからくり人形(亀蔵)に驚いた市郎右衛門 脳卒中であえない最期。周りにいた者が、家老が脳卒中ではまずいと、辰次に闇討ちで斬殺されたことにしてしまう。市郎右衛門の遺児 九市郎(染五郎)才次郎(勘九郎)の兄弟は、仇討ちの旅へ。2年の歳月が流れ、ようやく仇と巡り合うことに・・・
時代設定が、赤穂浪士の討ち入り直後とあって、世はまさに「仇討ち」ブーム。この仇討ちを、なによりの見物と囃し立てる町人たち(獅童 七之助ら)が面白い。「騒動好き」という庶民の気持ちというものは、いつの世にも変わりないものだなと思わせる。90分余の演目だが、ほぼ出ずっぱりの勘三郎丈の面白いこと。この演目 歌舞伎座では前代未聞のカーテンコールがおきたということだが、それもかくやという出来であった。まさか、このわずか6年後に、病に倒れることになろうとは・・・返す返すも残念の一言。もっと言えば、家老役の三津五郎もこの世になく、奥方の福助も、歌右衛門襲名を目前に倒れてしまった。人の世の無常を感じます。
物語は、守山辰次(勘三郎)という刀研ぎ師上がりの武士が主人公。「研ぎ師上がり」と、他の武士からバカにされる辰次だが、当人も、まったく剣術の腕を磨く気もなく、ただ、奥方(福助) 殿様へのお追従で、生き延びる日々。このあたりの口八丁 手八丁の見事さは、さすが勘三郎。
ある日、奥方の前で、家老・平井市郎右衛門(三津五郎)に剣術指南を受け、打ちのめされる辰次。奥方の前で恥をかかされたと遺恨に思い、闇に乗じてカラクリを使った報復を思いつくが、そのからくり人形(亀蔵)に驚いた市郎右衛門 脳卒中であえない最期。周りにいた者が、家老が脳卒中ではまずいと、辰次に闇討ちで斬殺されたことにしてしまう。市郎右衛門の遺児 九市郎(染五郎)才次郎(勘九郎)の兄弟は、仇討ちの旅へ。2年の歳月が流れ、ようやく仇と巡り合うことに・・・
時代設定が、赤穂浪士の討ち入り直後とあって、世はまさに「仇討ち」ブーム。この仇討ちを、なによりの見物と囃し立てる町人たち(獅童 七之助ら)が面白い。「騒動好き」という庶民の気持ちというものは、いつの世にも変わりないものだなと思わせる。90分余の演目だが、ほぼ出ずっぱりの勘三郎丈の面白いこと。この演目 歌舞伎座では前代未聞のカーテンコールがおきたということだが、それもかくやという出来であった。まさか、このわずか6年後に、病に倒れることになろうとは・・・返す返すも残念の一言。もっと言えば、家老役の三津五郎もこの世になく、奥方の福助も、歌右衛門襲名を目前に倒れてしまった。人の世の無常を感じます。