ボッチは、最悪なことに
愛のない動物病院の診察台で逝った。
当初Sどうぶつ病院の獣医は「糞詰まりで死ぬわけない」と言っていたが、
ボッチが巨大結腸症で便が溜まっていることを知ると、
「ここまで溜まっていたら、それもあるかもしれませんね」と、
後出しじゃんけんみたいなことを言った。
排便処置をお願いしたのだけど、急にのけぞったボッチを見て、
「あっ、もうダメだ」と言って、何もしないでボッチを見ていた。
そして、こう言った。
「ほら、この辺は動いているけど、もう息は止まっていますよ」
でも、ボッチの心臓はまだ動いていたし、身体も温かかった。
もう一度ちゃんと伸びをした。
「ボッチ、もう帰ろう」
私はボッチの頭をなでながら呟いた。
獣医が「段ボールをあげましょうか」と言った。
もう死んだから、段ボールに入れて帰れってか?
ひどいね、物じゃないよ。
ちゃんと専用バスケットに入って通院して来たのよ。
縮こまって硬直しちゃうかもしれないけれど、
来た時と同じバスケットに寝かせてやった。
さかい動物病院がお休みだったから、
仕方なくSどうぶつ病院にボッチを連れて行ったのだけど、
こんなことなら、思い切ってブナやクリを丁寧に診てくれた
笹塚の動物病院に車を飛ばせばよかった。
たとえ笹塚に着くまで、ボッチが持たなくても、
Sどうぶつ病院でボッチがこんな扱われ方をするなら、
そのほうがずっとずっと、ずっとマシだった。
先月の検査では腎臓の値がイマイチだったため、
一度採尿することを酒井先生に勧められていたけど、
猫のオシッコを採るのって、案外大変なの。
でも、いろいろ検査もしてやり、ボッチにも
まだまだこれからもっとやってあげたかったのに、
結局、あのどうぶつ病院では、
ボッチは糞詰まりのショックで死んだことになっているのでしょう。
Sどうぶつ病院では涙も出なかった。
獣医師の対応から何から、悪い夢を見ているようだった。
何か手を尽くしてもらえると思って通院したのに。
ショック状態だったなら、何か緩和する処置を取ってもらえると思ったのに。
「ああ、もう死んじゃう」と獣医に見放されて、
「頑張れ」とも「よしよし」とも声をかけられずに、
ボッチは逝きました。
手の尽くしようはなくても、こころのかけようはいくらでもある。
なのに、その病院の医師にはそれもなかった。
私にとってはボッチの死はあまりにも突然で、
どうしていいか分からない。
ごめんね、ボッチ。本当にごめんね。
逝ってしまうならせめて、酒井先生に看取られたかったね。
愛のない動物病院の診察台で逝った。
当初Sどうぶつ病院の獣医は「糞詰まりで死ぬわけない」と言っていたが、
ボッチが巨大結腸症で便が溜まっていることを知ると、
「ここまで溜まっていたら、それもあるかもしれませんね」と、
後出しじゃんけんみたいなことを言った。
排便処置をお願いしたのだけど、急にのけぞったボッチを見て、
「あっ、もうダメだ」と言って、何もしないでボッチを見ていた。
そして、こう言った。
「ほら、この辺は動いているけど、もう息は止まっていますよ」
でも、ボッチの心臓はまだ動いていたし、身体も温かかった。
もう一度ちゃんと伸びをした。
「ボッチ、もう帰ろう」
私はボッチの頭をなでながら呟いた。
獣医が「段ボールをあげましょうか」と言った。
もう死んだから、段ボールに入れて帰れってか?
ひどいね、物じゃないよ。
ちゃんと専用バスケットに入って通院して来たのよ。
縮こまって硬直しちゃうかもしれないけれど、
来た時と同じバスケットに寝かせてやった。
さかい動物病院がお休みだったから、
仕方なくSどうぶつ病院にボッチを連れて行ったのだけど、
こんなことなら、思い切ってブナやクリを丁寧に診てくれた
笹塚の動物病院に車を飛ばせばよかった。
たとえ笹塚に着くまで、ボッチが持たなくても、
Sどうぶつ病院でボッチがこんな扱われ方をするなら、
そのほうがずっとずっと、ずっとマシだった。
先月の検査では腎臓の値がイマイチだったため、
一度採尿することを酒井先生に勧められていたけど、
猫のオシッコを採るのって、案外大変なの。
でも、いろいろ検査もしてやり、ボッチにも
まだまだこれからもっとやってあげたかったのに、
結局、あのどうぶつ病院では、
ボッチは糞詰まりのショックで死んだことになっているのでしょう。
Sどうぶつ病院では涙も出なかった。
獣医師の対応から何から、悪い夢を見ているようだった。
何か手を尽くしてもらえると思って通院したのに。
ショック状態だったなら、何か緩和する処置を取ってもらえると思ったのに。
「ああ、もう死んじゃう」と獣医に見放されて、
「頑張れ」とも「よしよし」とも声をかけられずに、
ボッチは逝きました。
手の尽くしようはなくても、こころのかけようはいくらでもある。
なのに、その病院の医師にはそれもなかった。
私にとってはボッチの死はあまりにも突然で、
どうしていいか分からない。
ごめんね、ボッチ。本当にごめんね。
逝ってしまうならせめて、酒井先生に看取られたかったね。