FRG-7000
1978年発売 98,000円
受信範囲:0.25~30MHz
電波形式:AM/AM(ANL)/USB/LSB-CW
昭和53年に八重洲無線から発売された通信型受信機です。
同時期に販売されていたFRG-7と同じ「ワードレーループ」という受信方式で、独特なチューニング方法で、同じ方式を採用していた受信機は、
・ドレーク:SSR-1
・ケンテック:BCL-1
・スタンダード:C6500
辺りが有名でしょうか。
他にも何機種か確認しています(計17機種でOEMモデルもありそう)が、割愛しちゃいます。
でも、数えられるくらい採用機種が少ない受信方式だったんですねぇ。
PLL方式の登場で完全に消えていきましたし…。
さて、当時の無線機や通信型受信機は、フロントパネルまで金属で作られているものが多く、色はグレーをベースとしたものが多かったと思います。
八重洲無線も大体が同じような感じで、FRG-7はFT-101やFL,FR-101などと同色だったように思います。
ところが、本機はフロントパネルが
プラスチックで出来ています。
しかも、色に至っては筐体の基本色が
茶色!
さらに、プリセレクター部分にはカラフルな色使いが施されています。
視覚的に分かり易くする目的なのでしょうが、いささか奇抜ですね。
でも、実際に使ってみると結構見やすくて使い易いです。
奇抜さが狙いではなかった事が分かりますよ(当然ですが…)。
基本的な受信性能はFRG-7と同じようです。操作方法も同じで、アナログスケールかデジタル周波数カウンターかの違いが大きなところでしょうか。
ATTなど受信部で幾らかの違いはあるようですが、基本的ほぼ同じと思っても良いかもしれません。
FRG-7 59,000円 (1976年発売)
FRG-7000 98,000円 (1978年発売)
デジタル周波数カウンターとデジタル時計でこんなに値段が上がるのか、と驚いてしまいます。
(中古ではFRG-7との価格差は無いに等しいような気がしますが…。)
圧倒的にFRG-7の方が売れたようです。
中古市場に出て来る数からもそれは見て取れると思います。
デジタル周波数表示とデジタル時計の有無でこの価格差では売れなかったのも無理ないでしょう。
ただ、やはりFRG-7000はデジタル周波数表示なので、周波数のゼロインは楽ですね。
一部では、FRG-7000はデジタルカウンターからのオーディオ部へのノイズ混入(いわゆる内部ノイズでしょうか)が気になる、という記事を見かけますが、私が使っている感じでは、特にノイズ混入は気になりません。
まぁ、古い機械ですから個体差もありますし、発売当時の性能だとは思いませんので、その辺りはファジーに考えるしかないかと。
本機は、発売から僅か2年程でFRG-7700へとモデルチェンジされました。
ワードレーループ方式もやめ、PLLになりましたね。
FRG-7000では、当時ライバルであったTRIO(現JVC-KENWOOD)から登場したR-1000の対抗機として本機では力不足だったようです。
メモリーもありませんしね。
ただ、当時としてはデジタル時計が付いているのは凄いですね。
LOCALの他にGMT(今ならUTCですね)の表示が切り替え出来、ON/OFFタイマーまで備えていました。
この時計機能は、TRIO・R-1000にも採用されている事から、かなりインパクトのある機能だったようですね。
ちなみに、R-1000では周波数表示部でデジタル時計の表示も切り替えで兼用させていますが、FRG-7000ではそれぞれ独立しています。
これは嬉しいところですね。
デザインから見ても八重洲無線の異端児的存在であるFRG-7000です。
私自身、最初は「変なデザインだなぁ」と思っていましたが、「FRG-7を手に入れようかな」と考え始めたところ本機の事を思い出し、思案の末結局本機を手に入れました。
オークションによる入手でしたが、外観は経年劣化を考えるときれいだと感じるレベルでした。
しかし、驚いたのは内部でした。
ピカピカ!!
デッドストックかと間違える位綺麗でした。
今後、なかなか中古市場に出て来ないのではないかと思います。
出て来ても、古い機械ですから程度が心配ですね。
いじっていて楽しい受信機なので、良い機会があったら是非手にしてみてください。
私はお気に入りです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/cd/f4d7e3ce6ee3c8d29913d53358b9f137.jpg)
当時は、このカタログや、雑誌に掲載されたカタログと同じデザインの広告を見ては「近未来的イメージ」が湧いて、でも児童・生徒と呼ばれた時代には高値の花でした。