令和3年文芸春秋11月号に“財務次官、モノ申す” のとおり、このままでは国家財政は破綻すると、財務次官 矢野康治氏は熱っぽく語っていた。ただ、誰が総理になっても約1,200兆円の借金からは、逃がれることはできないと思っている。
不安を助長するつもりはないが、コロナ対策は大事だが人気取りの赤字国債のバラマキを続けていけば、日本はそのうちに沈むだろう。矢野康治氏の文章(抜粋)は、次のとおりである。
『 「最近のバラマキ合戦のような政策論を聞いていて、やむにやまれぬ大和魂か、もうじっと黙っているわけにはいかない、ここで言うべきことを言わねば卑怯でさえあると思います。 数十兆円もの大規模な経済対策が謳われ、一方では、財政収支黒字化の凍結が訴えられ、さらには消費税率の引き下げまでが提案されている。まるで国庫には、無尽蔵にお金があるかのような話ばかりが聞こえてきます。
(中略)
昨今のバラマキ的な政策論議は、実現可能性、有効性、弊害といった観点から、かなり深刻な問題をはらんだものが多くなっています。それでも財務省はこれまで声を張り上げて理解を得る努力を十分にして来たとは言えません。そのことが一連のバラマキ合戦を助長している面もあるのではないかと思います。
先ほどのタイタニック号の喩えでいえば、衝突するまでの距離はわからないけれど、日本が氷山に向かって突進していることだけは確かなのです。この破滅的な衝突を避けるには、「不都合な真実」もきちんと直視し、先送りすることなく、最も賢明なやり方で対処していかねばならなりません。そうしなければ、将来必ず、財政が破綻するか、大きな負担が国民にのしかかってきます。
今回は、「心あるモノ言う犬」の一人として、日本の財政に関する懸念について私の率直な意見を述べさせていただきました。今後も謙虚にひたむきに、知性と理性を研ぎ澄ませて、財政再建に取り組んでいきたいと思っています。』
財務省事務方トップの矢野康治事務次官(59)が、令和3年10月末の総選挙に向けて、与野党ともにバラマキ合戦のような経済政策をアピールする中で、財源も不確かな財政楽観論を諫めようと、既述のとおり論文を寄稿していた。
日本のようなデフレ経済には、現代貨幣理論(MMC)の効果が期待できないと思っている。なぜなら、国債という国の借金が財政負担になっており、円安や人口減少傾向の日本にとって効果がなく、国民への負担になるからである。
選挙では票の多い方が勝つが、「バラマキ政策」、「人気取り」など、今の日本の政治は国民を考えていないようである。与党や野党もお金を限りなく印刷していると、モラルハザードを起こす。
「MMT」は日本では通用しないし、日銀など関係機関にも認知されていないようである。今のような日本経済においては、財政政策にしても金融政策にしても、経済成長を遂げるのは難しいということである。
先日の宿泊は、札幌駅に近いSビジネスホテルであった。朝食付きに7,400円であったが、実質の支払った宿泊代は1,400円で、そのからくりは、「全国旅行支援北海道LOVE割3,000円」と「北海道応援クーポン3,000円」付きの6,000円引きであった。このLOVE割りやクーポン券は、税金や赤字国債で賄われているので、財政悪化の原因のひとつである。
「十勝の活性化を考える会」会員