先日、別添のとおり“ナキウサギ”の講演を聞いてきた。講師は、アイヌ遺骨返還訴訟で有名な市川守弘弁護士の奥さんで、ナキウサギふぁんくらぶの市川利美さんであった。ナキウサギは、世界に約30種類いるそうであるが、その中には地球温暖化などで準絶滅危惧種もいるらしい。
エゾナキウサギは、約3千万年前の地球上に生まれた。“氷河期の生き残り”で、妊娠期間は約1カ月で2~4匹が生まれるそうである。生息地は「ガレ場」と呼ばれる岩場で、天敵はキタキツネであるがすばしこいので捕まることはないだろう。草食動物で、冬眠はしないそうである。
地球温暖化のことであるが、地元新聞によれば、「帯広市野草園」の植物が、1957年の(昭和33)開園以来、1/4の植物が減ったそうである。また、近くには、1991年(平成3年)に道立帯広美術館ができ、この建設の際のボーリング工事の影響で湧水が絶たれ、いっそう乾燥化が進んだようである。園内には、ミズバショウやヤチボウズなどがたくさんあったが、いつの間にか少なくなっている。
このように、地球温暖化は様々な影響をもたらしている。札幌管区気象台のホームページによれば、このままの異常気象が続けば、十勝の年平均気温が21世紀末には約1.6度上昇し、1時間の降水量(短時間豪雨)が1.7倍に増加するようである。
また、世界の三大瀑布のひとつである“イグアスの滝”の水量が、10分の1に減っているそうである。イグアスの滝とは、南米大陸のアルゼンチンとブラジルの二国にまたがる世界最大の滝であるが、日本人は何と地球温暖化に無関心であろうか。このような動物を“茹でガエル”という。
茹でガエルとは、いきなり熱湯に入れると驚いて逃げ出すが、常温の水に入れて水温を上げていくと逃げ出すタイミングを失い死んでいくカエルのことで、日本人は“茹でガエル”であってはいけないのである。
- ナキウサギのポスター
「十勝の活性化を考える会」会員