トーネードの無職生活

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パウル・カレルという人物

2015-08-27 07:20:02 | 日記
 今、パウル・カレルの捕虜という本を読んでいます。パウル・カレルはドイツの戦記作家で、バルバロッサ作戦、焦土作戦、彼らは来た、砂漠の狐といった作品があります。

 20年以上前になりますが、古本屋で焦土作戦を購入して読んだのですがものすごく面白かったので、他の本も古本屋で探したのですがみあたりませんでした。その後、学研が発売してくれたので読むことができました。どの作品も大変に面白かったです。

 これらの作品を最初に翻訳して出版したのがフジ出版社というところで、出版された当時、1970年代だと思いますが、その当時には現在のように第二次世界大戦のドイツ軍について書かれたものがなかったようで、貴重な文献ともなっていたようです。翻訳された方の力もあるかと思いますが、本当にどの本も面白い本でした。

 で、しばらく前に歴史群像という雑誌にパウル・カレルという人物についての記事が書かれていました。読んでみてビックリ。なんと、パウル・カレルはナチ党員であり、SS親衛隊の中佐で広報関係に携わっていたとのこと。そんなわけで、書かれた内容もナチの都合の悪いことは書かれておらず、文献としての価値はないとのことでした。

 今読んでいる捕虜という本でも、実際に捕虜になった人達の話が随所に書かれているので、綿密に取材されたんだろうなと思ってしまい、ノンフィクションと思ってしまうのですが、パウル・カレルの経歴から考えるとこれは注意しないといけない本ということになります。

 ドイツの当時の状況からしてナチ党員だったとしても、完全にナチに染まっていない人もいたと思うのですが、親衛隊の中佐ともなればこれは完全なナチですから、その立場の人物が書いたものを頭から信じてしまうのは危ういことといえます。しかし、それにしても書かれた本はとても面白い本なのです。

 現在は学研で出版された本も絶版になっていますが、アマゾンには古本ならありますので読んでみたい方は探してみてください。読み物としては本当に面白いです。