原作 番外編で、団子が母上の誕生日を前にして
何をお祝いにあげようか、と思い始めた頃に・・・
それは丁度 例の母上添い寝争奪戦で
夜華が負けた三日後のこと。
学塾の先生が言う。近日中に 小テストを行う。
テストの内容は 四海八荒にある 上は天尊から
下は地仙に至るまでの 数万神の階級と功名である。
と宣告された。
今回のテストはそれまでと異なり 一位になった者には
大きな賞が与えられるという事だった。
学塾の先生 晋文神君は 常日頃から 家財抱負な
多宝元君と親交があったので、彼が大賞というからには
大賞に間違いない。
団子は 三か月後に迫った母上の誕生祝いに頭を悩ませていた。
団子のものは すべて父君のもので、それを贈ったところで
面白くもないし、自分の気持ちを表現する事もできないと
思っていたので、これは 丁度良い機会にほかならなかった。
成玉が日頃言っている 天意に他ならない・・
天意が自分に見方している。天意もまた自分が小天孫だと
知っているのではないか、天意とは 本当に素晴らしい
悟りを持つものだ・・・と。
阿離は真剣に取り組む。実力で母上の為に大賞を得る事が
出来たら、母上はきっとすごく感動するに違いない。
こんなにも可愛い自分をいつも見ていられるなら、母上も
楽しくいられると気づいて、母上からは 長昇殿へ移る
ように命じられるかもしれない・・・
そうすれば 今後 父君から追い出される事もなくなる。
美しい幻想を胸に抱き 団子は十日間ひたすら頑張った。
母上の所に行って 邪魔する事もなく、どうしても母上が
恋しいときは自分を自分で叱咤した・・・
「母のいる子供は宝、母のいない子供は野の草。
今日 苦の中の苦を味わえば、明日には
追い出される事はない」・・・
筆を噛み、拳を握りしめ、黙々とその言葉を念じた後
彼には再びやる気が生まれた。
努力は人を裏切らない。十日間の努力プラス天君の孫
という身分により、もとより天上地上の神仙たちの
功名 職階をよく覚えて居る。団子は当然の成り行きで
一番を獲得した。
晋文神君は 満面に笑みを浮かべ、彼を見つめる。
「小天孫が一位になったのですね。どうやら此度は
小天孫は本当に努力したようだ。今回の大賞、
結局は小天孫が受ける事になるのですね」
晋文神君に褒められた小天孫、額にはまだ必勝の鉢巻き
が 巻かれたままだった。(中略)
自分が勝ち取った大賞。
きっと 特別なものに違いない・・・(*´ω`)
母上が知ったら きっと 自慢に思うに違いない。
きっと 喜んでくれるに違いない・・・
母上は喜んだ・・・が、一番喜んだのは父君・・・
墨淵伯父の元で 三年間 家に戻れない修行が大賞・・
私は 字面だけを見ていて気付かなかったのだけど
どうも この試験自体を 仕掛けたのは・・・
「夜華」
だったんですねえ( *´艸`)
だって 阿離は もともと学業成績については
お小言を両親からもらうほどの出来栄えなんですものね。
阿離が頑張れば できる分野をテストにしたのね。
唐七公子は 文章にこういう仕掛けを幾重にもしている
だから 何度読んでも 新しい発見があるのよねえ・・・
私は これ、敏敏公主さんへのコメント欄を読んでいて
そんな内容の事が書かれていたので ああ・・
そうだったのか と 腑に落ちた次第です。
(文章は 私が原作から 少しいじってあります)
まだまだ 桃花 抜け出せないわ・・