とやざき農園日誌

浅間山麓(長野県小諸市)で自然農法による農業を行っています
肥料や農薬を施さず自然の養分循環の中で野菜を育てています

長良川上流部の山間集落を訪ねる

2018年12月29日 | 日記
雪深い岐阜県郡上市、長良川上流部の山間の集落に来ています。
農業用水のphを計測。結果ph7.80
やはり源流に近い程高いphになるようです。
ここでは、酸性土壌を嫌うモロッコインゲンが良く育つそうですが、用水のphを測って、その理由が分かりました。


義父が育てているブドウの樹。雨も雪も多い地域なので悪戦苦闘しながら毎年孫にブドウを送ってくれます。


株元の土はやや粘性のある質感でph7.78。秋に落ち葉を敷くそうでミネラルは十分にある感じです。問題は水はけで、糖度を上げるには登熟期に日照と土が良く乾くことが重要なのだそうですが、地域柄そこが実に難しいわけです。


水稲栽培に毎年苦心していると言う泥田を視察。稲刈り後も田の水が抜け切らず、積雪で更にズブズブに。水溜まりに氷が張っています。


土を採取してみると、ぬるぬるした質感。スメクタイト型粘土のねとねと粘る感じとは異なり、蝋粘土と言われるカオリナイト型と思われる。
酢酸水ph6.00に土を投入するとph6.15、酢酸水ph6.50に土を投入するとph6.43。よってph6.35付近と推定。


アルカリ性の農業用水が引き込まれる田んぼが酸性になり、引き込まない畑がアルカリ性を示すというのは、実に興味深い結果。
降水(酸性)に対する、農業用水(アルカリ性)および地下水(アルカリ性)の作用が、田んぼと畑で異なることが原因と考えられる。水を貯めるように造成された田んぼでは、酸性の降水が停滞して土からアルカリ成分を溶かし出す。それに対し、乾燥する畑では地下水の沸き上がりが強く働き、地表にアルカリ成分が濃縮され、降水による溶脱を上回る。
という具合に考えれば良さそうです。

コメント
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