とやざき農園日誌

浅間山麓(長野県小諸市)で自然農法による農業を行っています
肥料や農薬を施さず自然の養分循環の中で野菜を育てています

南ヶ原育種事業地のウラジロモミ並木

2023年02月16日 | 日記
南ヶ原区の北西に位置する古牧配水池から、標高1,000m林道に沿って東に向かうと、国立森林総合研究所の南ヶ原育種事業地があります。案内板の説明文を読むと、育種対象となる亜高山性樹種の中で「ウラジロモミ」が筆頭に挙げられており、諏訪の御柱信仰に留まらず、国や県にとっても重要な存在である事が分かります。


案内板の横には、事業地の顔とも言うべきウラジロモミ並木が、林道沿いに整備されていました。


陽当たりの良い東側から見たウラジロモミ並木


常緑が力強く上向きに伸びる勇壮な枝振り。諏訪の御柱に用いられる理由も分かる気がします。


樹皮は、灰褐色が特徴です。


#ウラジロモミ
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古牧配水池のウラジロモミ

2023年02月15日 | 日記
石峠区から更に剣ヶ峰斜面を登って行くと、標高1,000mの等高線沿いに引かれた林道までの区間に南ヶ原区があります。ここでは、古くから牛馬の飼育が営まれて来たそうです。

南ヶ原区東部にある乗馬クラブの馬達


1,000m林道から上の剣ヶ峰中腹は、鳥獣保護区に指定されると共に、ほとんどが浅間山国有林となっています。






カラマツの比率がとても高い事から、かつては、カラマツ単植林として営林されていたと考えられます。しかし、現在では人の手が入っていないようで、周囲から雑木の種が侵入して自然林に回帰しつつあります。

立看板付近のカラマツ林には、自生標高1,000m~2,000mと言われるウラジロモミがあちこちに割り込んでおり、寒々とした枯れ林の中で鮮やかな常緑が引き立っていました。


ウラジロモミの種がどこから飛んで来るのか気になったので、少し西に向かうと、「古牧配水池」と記された管理区画およびその周辺に、大きなウラジロモミが多数立っていました。






水源地と言えば、麓の里ではケヤキの巨木が立っているのが常ですが、標高1,000mともなるとケヤキには寒すぎるようです。長野県の林業技術情報にも、ケヤキは「標高1,000m以下の、山地帯下部で排水の良い肥沃な土地を好み、乾燥地を嫌います」との記述がありました。

以前、標高1,050mの柏木水源地を訪ねた際、水源周辺のケヤキに活力が感じられず不思議でしたが、水源を護る水神樹は、標高増加に伴ってケヤキからウラジロモミに遷移して行くようです。

#ウラジロモミ
#水源
#剣ヶ峰
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赤岩水源

2023年02月14日 | 日記
駒形神社の北西に立つ水神の石碑。赤岩が多数出土する石峠区の湧水は「赤岩用水」と呼ばれ、真楽寺の「大沼用水」および剣ヶ峰中腹の「水出用水」と並んで、小諸市北東部(北大井)の農業振興地域を支える三大用水の一つとなっています。


石碑の立つ場所は、直ぐ上に水源と思われるイチイ林が広がっていますが、湧水量が減っており水路にほとんど水が見られません。周辺の宅地開発や農地整理が影響して、地下水脈が変わってしまったのでしょうか。


現在は、駒形神社の真北に位置するヒノキ林の周辺が主要な水源となっているようで、幾筋かの湧水が合わさって、駒形神社の脇に流れ込んでいます。




ヒノキ林下の湧水


下流に見える駒形神社


ヒノキ林の中は、青々とした下草に覆われており、地下水脈の存在が感じられます。


林中央には湧水地点と思われる土管。


ヒノキ林の北側にはイチイ林が広がっており、鳥が種を落としたのか、ヒノキの株間にもイチイが割り込んでいます。




林の中に見られるのはイチイの若木ばかりで、ヒノキが自生している雰囲気が全く無いので、ここのヒノキは人工林ではないかと考えられます。それを示唆するように、林の西側には、そこかしこで大きなケヤキが立っていました。かつては、水神樹であるケヤキが一帯に林立し、もっと多くの湧水があったのかも知れません。






#赤岩
#水源
#ケヤキ
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赤岩の風化

2023年02月13日 | 日記
駒形神社の大岩をきっかけとして赤岩に興味が沸いたので、各所の石垣を注視しながら歩いていると、珍しいものを発見しました。


灰色の普通安山岩に乗っかる形で、赤岩(赤色安山岩質の溶岩が冷却固結したもの)が積層した痕跡があります。おそらく、普通安山岩に溶岩流が覆い被さって生じた火山岩塊から、石垣用に石が切り出された後、風化作用によって板状節理面がパカッと開いたのでしょう。


剥離した薄片を見ると、まるで錆びた鉄板のようです。赤岩は鉄分を多く含むと言われるので、空気に触れて鉄分が酸化した結果、岩本体との化学結合を失って遊離したと考えられます。




薄片が更に酸化されれば粉末状の赤錆になるので、それが地中に沈降して集積したものが、多湿黒ボク土の底に位置する赤色粘土層の元になっていると言えそうです。


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駒形神社 赤松と赤岩

2023年02月12日 | 日記
昨日の陽気で積雪が一気に解けました。畑がぬかるんでいるので、土が乾くまでの間、諏訪神社のある柏木区の北(山麓上方)に位置する石峠区の駒形神社を訪ねました。ここは、諏訪神社と同じく赤松が優美に林立する風神の社です。


道路に面する土手上には、成長点が止められていて残念な姿ですが、ウラジロモミが並んでいます。


少し裏手には、立派な円錐形のウラジロモミが立っていました。


参道の旗竿の奥にはヒノキ。


境内には大きな赤岩があり、周囲を赤松の若木が囲んでいます。赤松は、苔むした岩肌に最初に取り付いて土壌形成を始動する、パイオニアツリー(先駆性樹種)と言われています。


赤岩を良く見ると、上部に穴が貫通しています。どうやら、赤色安山岩質の溶岩流が立木を呑み込んだ後、赤岩として冷却固結したようです。




駒形神社周辺では、各所に赤岩の石垣が組まれており、石峠と言う地名の由来ともなっているようです。


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