学生のときは、ちょうど今頃、毎年、千葉の富浦で合宿があった。合宿は夏は2回あって、最初の合宿が富浦。2回目が信州で、本番は2回目のほうである。
富浦の合宿は、不思議な話だが、遊びの合宿で、いい歳の大学生が30人近く、昼間は酒を飲んでボーっとして、海水浴やマージャンに興じ、夜は夜で、マージャンや花火大会が行われる。しかも全員男である。むちゃくちゃな合宿だった。
ワシは当時から享楽的な生活が嫌いで、この合宿のときは群れを離れて、ひたすら、読書しながら海を眺め、波の音を聞いたものである。
長いこと会っていないから、先輩や同期や後輩の名前は少しずつ記憶から抜け落ちつつあるのだが、あのとき富浦で聞いた波の音や海の表情は不思議と鮮明に覚えている。懐かしい。