もうすぐ49歳の誕生日なのである。これが何だか嫌だ。いままで、誕生日を迎えて、なにか考え込むといった経験はあまりない。
20歳になったときは、ひとりでショートケーキを食いながら、少々厳粛な思いにふけったものであるが、30歳、40歳になったときは、それ自体を忘れていたくらいであったのに。
それが、なにゆえに、49歳で特別な感慨を持っているのだろうか。ひとつは、50歳突入に思いきり恐々としているからである。
それにしても、月日のたつのが早い。あっという間に1年が過ぎる。毎年毎年、1冊の本を開き、1年かけてそれを読み終えるような作業を年々繰り返しているような気分にさえなる。
このままこれを繰り返してゆくと、だんだん、生きていることに飽きてきて、安楽に死を迎えられるようになるのかもしれない。もしかしたら、それが自然の摂理なのかもしれない。