チューリヒ、そして広島

スイス・チューリヒに住んで(た時)の雑感と帰国後のスイス関連話題。2007年4月からは広島移住。タイトルも変えました。

クリッペ

2004年12月17日 06時42分40秒 | Weblog
クリッペとは本来、飼い葉桶を意味しますが、たいていはこの語だけで、イエス誕生の光景を木彫や粘土などで模した飾りを指します。写真のものは、グロースミュンスターに飾られているクリッペです。

このクリッペ、教会だけでなく家庭でも飾るところが多いようですが、ご多分に漏れず、こちらで作られている製品はお値段が張ります。いきなり登場人物・動物を全部揃えることはちょっとできない(出来る家もあるには違いありませんが)ので、毎年少しずつパーツを揃えていくわけです。

一昨日、街のおもちゃ屋さんに出かけたのですが、そこに展示されているクリッペを見てびっくり。ラクダ1頭が1万円以上するのです。全部揃えたらいったいいくらかかることやら……。

このおもちゃ屋で売っていたクリッペには、象もいました。羊やラクダがいるのはわかります。しかし、象というのは……3人の博士が東から乗ってきたということでしょうか? 確かに、聖書には博士たちが何に乗ってきたかは書いていませんが、それにしてもねぇ。この種の事柄には、後から付け加わった「伝統」もあるわけですが(3人の博士―そもそも3人だということすら聖書には書かれていないけど―のうち1人が黒人だというのもこの類)、象が踏んだら飼い葉桶が壊れてしまうのでは……?

しかし、家畜小屋の飼い葉桶の中で生まれたイエスを表す飾りがバカ高い値段だというのは、どう考えても矛盾しているような気がするのですが。貧しい人間には手に入らないイエス様ってのは、ね。いくらチューリヒが金融の街だとしても。