チューリヒ、そして広島

スイス・チューリヒに住んで(た時)の雑感と帰国後のスイス関連話題。2007年4月からは広島移住。タイトルも変えました。

ドイツ・フランスの旅(1): 迷い道くねくね

2004年12月24日 08時11分40秒 | 番外編
子どもの学校が冬休みに入ったので、ドイツとフランスに出かけてきました。

ドイツのドナウエッシンゲンというところに住んでいる妹夫婦、そしてフランスはリヨンに在外研究で来ている同僚を訪ねるのが今回のメインで、その間に、フランスのストラスブール、コルマール、ボーヌに寄るという、全体で5泊6日の計画です。レンタカーを借りての「周遊旅行」、全体で1000キロあまりのコースとなりました。

土曜日の朝、チューリヒでまずレンタカーを借りに行きました。今回は Europcar を利用。Hertz や Avis といった大手(Europcar もこちらでは有名ですが)にしなかったのは、値段が安かったからです。

Europcar の営業所はチューリヒ市内に何箇所かあるのですが、郊外にある営業所から借り出すことにしました。市内中心部で借りると、トラムが複雑に走っている道路をいきなり行くことになるので、郊外を選んだのですが、これがいきなり裏目に。借りたはいいが、家まで帰る道がわからないのです。営業所のお姉さんに説明してもらい、その通りに行ったはずが、どこで曲がる場所を間違えたか、なんとチューリヒ中央駅のすぐ横手まで出てしまったのです。チューリヒ市内を1時間近くうろうろした挙句、やっとのことで自宅へ。おかげで運転には早くも慣れてしまいました。左ハンドルも感じがつかめ、方向指示器とワイパーを間違えるということもなくなったのは怪我の功名と言うべきでしょうか。

「愛車」フォルクスワーゲン・ゴルフ1600に荷物を積み込み、休む間もなく出発。妹夫婦が住むドナウエッシンゲンまでは約90キロ、1時間半もあれば余裕で着く、はずでした。10時半出発だから、12時には余裕で着くだろうと思っていたのですが、初日からそううまくは行かないのが世の常、あるいは我が家の常。

土曜の朝、チューリヒは気温が下がり、小雪がちらちらしていました。が、積もるほどではありません。ところが、北にほぼまっすぐ上がって、国境が近づくと、あたり一面が次第に白く変わってきました。国境にさしかかるとなんと雪景色。日本のパスポートを見せると、表紙をちらっと見ただけでOKとなり、軽くドイツに入れたのですが、ここからは雪を気にしながらの運転となりました。

ドナウエッシンゲンの手前までは、1本道の国道で、迷いようもなく、非常に順調でした。ところが、「Donaueschingen Sued(南)」という出口標識を曲がり損ねたところから話がややこしくなり始めます。妹の家までたどり着く道筋は予め Mappy で調べてあったのですが、Mappy の示したルートガイドには、ドナウエッシンゲンに入る標識が複数あることは書いてなかったのです。次の「Donaueschingen Zentrum(中央)」というところで国道を曲がり、町中へと入っていったのですが、Mappy のルートガイドが示していたのは、後から考えれば、「南」から入るルートだったのです。それを「中央」から入り、その後、ルートガイド「どおり」に進んだため、とんでもない北のはずれに出てしまいました。ドナウエッシンゲンの地図を持っていなかったために、自分たちがどこにいるのかもわからず、大弱り。途中でパン屋さんとガソリンスタンドに停まり、道を教えてもらってやっと妹宅へ。1時間近く余計にかかってしまいました。まだ1時間で済んだからよかったのかもしれませんが。

とにもかくにも妹のところに着いたわけですが、写真は、妹宅の近くで撮った景色です。とにかく真っ白。雪合戦も軽くできるほどの積もり方でした。実際、子どもたちは雪合戦に興じていました。

妹のところで午後を過ごし、予約しておいてもらった近くのホテルへ。このホテル、泊り客は我々家族4人だけ。それだけなら珍しくもないでしょうが、なんとホテルの経営者やスタッフも出かけており、空っぽだったのです。本来は閉める日だったのを特別に泊めてくれたそうで、経営者の一家は夜遅くに戻ってくるから、とのこと。妹夫婦が予めもらっておいてくれた鍵で玄関の扉を開け、ホテルの中へ。人っ子一人いないホテルくらい気味の悪い場所があるでしょうか。

Waldblick というこのホテルは3つ星で、プールやサウナがついています。プールを自由に使って良いというので、家族でありがたく占有させていただきました。雪を見ながらのプール遊びなんて初めてです。

冬の水泳は意外に楽しかったのですが、温泉ではないので水温があまり高くなく、やはり寒くなってきたので、しばらくしてから部屋に戻りました。ところが、部屋の暖房がオフ! いつからハイツングを切っていたのか、どうやら壁が冷え切っているらしく、あわててハイツングを入れても、なかなか部屋は暖まりません。結局部屋は翌朝まで寒いままでした。

夕食を食べに戻った妹の家で、妹の旦那(要するに義弟ですね。ドイツ人です)にこのことを言うと、ドイツ人は寒い部屋が好きだからだろう、とのこと。そういえば彼も、以前我が家に泊まったときに、寒い冬だというのに、部屋の窓を全開にし、ハイツングを切って寝ていました。

説明には半分納得しつつも、あやうくプールで風邪をひくところでした。サウナには行かなかったのですが、このぶんだとサウナもきっと冷え切っていたに違いありません。サウナで風邪をひくなんて……あり得ない。

こうして旅の初日は過ぎていったのですが、翌朝目を覚ました我々は、もっと驚く光景を目にすることになったのです。(続く)