枇杷の摘果をした。これがなかなか難しい。どう難しいかと言うと【思い切り】が素人にはなかなか出来ない。『せっかく花が咲いて実をつけたのに切り捨てる?!・・全部育って欲しい』。しかしそれでは【全部ダメになってしまう】のである。
人間世界にもこれがある。一番多いのが【親を見捨てる】。親への哀惜と未練に逡巡して【優しい息子】でありながら【何事かを成し遂げる】のは多分不可能だ。瀬戸内晴美と言う人はご本人が話していたところによれば生まれて間もない子供を捨てた。文学の才を花開かすために。これを【母親にあるまじき所業】と言うのは【内在無意識】について知らない人だ。人間の【自己実現欲求】は前頭葉論理思考の所産である【道徳】を蹴散らすほど強い。
戦場に於いて、【情に溺れて】いては勝てないだろう。薩摩藩出身の軍人だったと記憶する。日露戦争出陣に当って、勤皇佐幕当時から長年情を交わした女性に『何時戦場に倒れるか分からぬ身となった、長年ありがとう、これで終わりにする』と言って別れて行った由、如何にも薩摩人らしい。