梅田に映画『はじまりのみち』を見に行ってきました。映画の最後に、木下恵介監督が撮られた数々の映画のダイジェストが流れました。懐かしい俳優さんたちの若かりし頃の名場面集でもありました。本当にたくさんの作品を生み出されて来られたのだなあと実感できる名場面集でもありました。この映画の時代背景は昭和19年頃の話でした。戦中、政府から戦意高揚の国策映画作りが要求された時代でした。当時、33才の若かりし木下恵介監督の映画『陸軍』がその役割を果たしていないと政府から睨まれ、松竹に辞表を出して映画作りを止めてしまい、浜松の実家に帰ります。療養中の母や父、兄たちの元に戻ったものの、昭和20年の夏、戦局は悪化し、60キロという険しい山道をリヤカーに母を載せて、兄と便利屋と一緒に疎開することになります。この映画はその道中の様子が中心となっていました。そして、映画作りをやめた息子にかける母の愛のこもった言葉が木下恵介監督の心を揺さぶり、映画作りを再開することになるというストーリーでした。この映画のタイトル『はじまりのみち』の意味が母が息子木下恵介監督にかけた言葉の名場面でよくわかりました。映画は実話だそうで、最後にその山道や途中で泊まった旅館なども紹介されていました。映画自体は淡々と描かれていますが、それが見る者の想像力を働かせているのかもしれません。いつの時代でも変わらない母と息子の親子愛と戦争の時代を生き抜かなければいけなかった人々の思いがたくさん詰まっている映画でした。木下恵介監督の映画は新喜びと悲しみも幾歳月と二十四の瞳しか見ていませんが、テレビドラマの親父太鼓や二人の世界などは子供の頃によく見ていました。この母の言葉がなかったら映画やドラマも見ることがなかったのですよね。感慨深い映画になりました。
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