『完全自殺マニュアル』完全批判12
いじめの構造
『完全自殺マニュアル』が暗に発している、“いじめる側からのメッセージ”を暴き出すにあたり、少し長くなるが、ここで“いじめる側”の心理を考えてみたい。
柔軟な自信とそれに裏付けられた謙虚さをもって自然に振舞うことができる人間がいじめに走ることは、たぶんけっしてない。
そういう立場に立った方や、いじめの状況に居合わせた方はよくご存知と思う . . . 本文を読む
『完全自殺マニュアル』完全批判(10)
死にゆく者への目線
ここでは、自殺を刺激的な情報として語っている本書が、自殺した人間をどのように語っているかを見ていこう。
見てきたように、この本は自殺の方法論については多くの紙幅を割きながら、それを実行した人間の内面にはほとんど踏み込んでいないのだった。
しかしその中で、著者が人生観めいた感想と自殺者に対する共感らしきことを述べている異例 . . . 本文を読む
『完全自殺マニュアル』完全批判(8)
「あとはもう“あのこと”をやってしまうしかないんだ」
さて、世の中に絶望し(またはしたふりをし)、生きることなんてくだらない(ただし、たぶん他人が)と宣言してみせた著者は、ではなぜさっそく『マニュアル』の方法を実行して、早々にこの世に見切りをつけなかったのだろうか?
なぜ著者はこんな本を書いていながら、自分自身は自殺しないで生きているのか?
こ . . . 本文を読む