(承前)
希望は、何より私たちは人間として自由意志をもつ主体的な存在であり、そして原理的には私たちの心は無限で、思うことは原則自由自在だということにあります。
いろいろロクでもない思いが自動的に・勝手に湧いてきて狭苦しく限界だらけという、文字通り思うに任せぬ、不自由きわまるわれらが心の現状があるのは、もちろん確かです(私ももちろん、とりわけそうです)。
しかしよく考えてみると、そんなふう . . . 本文を読む
5.焦土からの再建
しかし取り組み次第で、私たち〈ロストジェネレーション〉が、世代一般の特徴と描写された「ダメ」を克服し、社会の現状を変革する力となることは、可能性としては大いにありだと根拠を持って言いたいと思います。
おそらくいうまでもなく、この日本の社会の将来は、そして後に続く世代の安心は、主体として今後その中核を担っていく私たちが希望=ヴィジョンを持ち、それにもとづいて適切な責任的 . . . 本文を読む
4.内面の焦土・外面の危機
そういうわけで、歴史的な理由も原因もあっての集団的‐内面的な病理情態として、いま多くの同世代の私たちは悲しいことに、「アナタの人生に一切意味はない」「ないないづくしでやりきれない、それでもアナタは生きている」といったニヒルなセリフこそがリアルだと感じられ心の琴線に触れてしまうような空虚な生き方を、選ばざるを得ず選んでしまっているわけです。
(そんなふうに先行世代 . . . 本文を読む
3.アイデンティティ・ロストの世代論
そんなふうに心の基盤・アイデンティティがいわば根っこから枯死しつつあるかに見える、その最初の世代が私たちなのだということですが、よく上の世代のオジサン・オバサンたちから批判されるように、それは豊かで自由な時代に生まれ育ち、そのことに甘えた私たちの努力不足と未熟さばかりが原因なのでしょうか?
そうではない…というか、たしかにそれは事実を衝いているけれ . . . 本文を読む
2.私たちの世代が「ロスト」したものとは
さらに、人間にとって本来大切だったはずの、心の各レベルの「中味」とはいったい何であったのかを見ていく必要があると思います。
いうまでもなく喪失を問題にするからには、もともとあったはずの何がロストしてしまっているのかを見ておかなければ、最初からピントはずれな議論になってしまうに違いありません。
それが『朝日』の新年連載「ロストジェネレーション」に対する . . . 本文を読む
あやしいタイトルですね…しかし私たちにとってちょっと懐かしい「人類補完計画」(笑)のような策謀めいたものではもちろんありません。いうまでもないか。
これはさきにとりあげた、事の発端である名付け親・『朝日新聞』連載「ロストジェネレーション」に欠けていたところを補うことで、わが世代の問題の本質と対策を示そうという、たんなる宣言としてのインパクトを狙ったつもりです。
思いついたところで、概略次のよう . . . 本文を読む
これまで漠然とやってきた〈ロストジェネレーション〉論補完の試みについて、今後はバックキャスト的に、目的にもとづくプランをさきに決めて書き進めていこうと思いつきました(「バックキャスト」という言葉の誤用かもしれませんが、イメージ的に)。
でないと、これまで読んでいただいておわかりとのとおり、どうも「自分なりのこだわり」に沿った目先のフォアキャストで、いつまでも右往左往することになってしまうだろうか . . . 本文を読む
さて、「ロストジェネレーション」ということについて検討し書き進めてみて、ここでの課題が、わが同世代の内面‐心から失われているものが何なのかを明らかにし、その対策を探ることにあるのに気づいたのでした。
それは、代表的にはさきの朝日新聞の記事のような、いま私たちがマスコミでよく見かける社会病理に関するもっぱら外面的・表層的な観察や分析からは、なぜか省かれてないがしろにされてしまっているかに見える側面 . . . 本文を読む
またまたロスト・ジェネレーションのことについてですが…
「ロスト・ジェネレーション」――最初に書きはじめたように、その表現の何が心に引っかかったのか考えてみると、それは僕らが、よくいわれるような社会的安定が「失われた世代」である、という意味においてだけではなかったのでした。
それはたぶん話の外側・表面の、半分にすぎないのだと思います。
それだけでなくその深層に、僕らが心を持ち社会を形成する存在 . . . 本文を読む
春一番らしきものが二月まだ半ばに強烈に荒れ狂った午後でした。
もう気候がおかしいというのは社会の常識になってきています。
ちょっとの気温上昇がこれほどの変動を起こさせるということは、最近発表された国際的な長期予測による温暖化が起こった日には(というかそれはこのままだと起きるのですが)いったい世界はどのようになるのか…
さて、横道の朝日新聞記事の批判に走ってしまいましたが、「ロストジェネレーショ . . . 本文を読む
【「ロストジェネレーション」の名づけ親・新年の朝日新聞記事を題材に書き進めるつもりが長くなりそうで、加えて朝日連載からずいぶん時間が経ちいわば「旬」を逸してしまっているので、同記事批判は断念することにしました。以下、今後載せようと思っていたものですが、それにしてもわれながら他人を批判するのは大好きなようで、もちっと心の広いヒトになりたいものだと思いました。同世代論は時間があれば書き進めたいのですが . . . 本文を読む
それが端的に示されているのが、「さまよう2000万人」との大見出しのもと、元旦第一面の半分を割いた連載の第一回である。初回ということで三人の対照的な同世代の生き様が見出し入りで紹介されており、それぞれが後の各エピソードの典型を示すかたちとなっている。
一人目は「負け組」。人材会社から全国の工場に派遣され安い賃金で使いまわされて青息吐息の生活のなか、なけなしのカネで買った株に淡い希望をつなぐ、「 . . . 本文を読む
【表題変更…“名付け親”である朝日新聞特集を取り上げてみた結果、今後書くことがその指し示す内容と相反したものになることが見えてきたためで、メッセージとしては変わらずあくまで「ロストジェネレーション」による同世代論(となる予定)です】
さて、そういうわけで、単に自分の主観や実感にそぐわないということももちろんあるのだろうが、しかしそれをできる限り措いたつもりで考えてみても、この『朝日』の「ロス . . . 本文を読む
今後の書き込みにあたり、話題となったという朝日新聞の企画記事「ロストジェネレーション」を改めて読んでみたが、それは同世代のど真ん中にいる者の“内部”の視点からは、失望というほかにない内容だった。
これから同連載に対してしばらく展開する批判的な見方は、もちろん書いている自分の視野の狭さがもたらしているものだということは自覚しておきたいと思う。
結局これも主観的な「読み」の、バリエーションのひ . . . 本文を読む
さて、それではこの特集は、われら“ロストジェネレーション世代”について、どのような視点から、何を切り取り、何を描写し、メッセージとして何を語っているだろうか?
ようするに、そこではわざわざ特集まで組んで何が目指されているのだろうか?
まず全体を通してざっと読んだ限りでは、個々人のバラバラのエピソードの羅列に終始しているのが目に付く。
「勝ち組」から「負け組」まで、無職-日雇い-派遣から過労の正 . . . 本文を読む