その心理療法家というのは、臨床心理士の河野良和氏である。今や知る人も少ないであろう。
私がその著作に出会ったのは、記憶が定かでないが、大学在学中であったと思う。思えば25年以上前の話だ。
大学では、今思えばおそらく人格形成の未熟により、人間関係が築けないという不適応にあった。そのため一度入って退学し、受験に逃げ込んだほどだ。金がないのに両親には迷惑をかけたものだ。
家族関係の大変さもあった時期に重なる。
人は家族の中で人格形成するのだから当然だが、人の親になってみると、親を怨むことなど決してできない。しかし当時は「トラウマ心理学」ものがはやりで、父に無用な怨恨を抱いたものだ。謝ろうにも父はすでにいない。
(トラウマ理論にはまり込んでいる人は、なかなか聞く耳が持てないだろうが、9割方眉に唾してかかったほうがよいだろう。その理由は追ってわかっていただけるものと思う)
当時の事はなぜか、というか当然のこと記憶が薄い。砂をかむような無味乾燥さしか思い出せない。
「友達が作れない」ということに異常に焦りを感じ、語学の授業などはつらいものであった。
学校の教室で孤立するというのは本当にきつい。故・山田花子の自虐漫画が我がことのように感じられたものだ。
蛇足だが、それだけに彼女をネタにした『完全自殺マニュアル』の鶴見某という文字通りのバカにはいまでも怨恨を禁じ得ない(その点は過去記事を参照いただきたい)。
一度大学の無料の学生相談(何せ金がなかったので)で心理相談をしたのを思い出すが、おそらくロジャース派カウンセラーだったと思われる年配の女性は、優しくウンウン相槌を打って聞き取り手元のボードの紙にメモしていくだけで、何の解決にもならなかった。彼女は何がしたかったのだろう?
「アパシーなのかしらね」と言われたが、言われたところでどうにもならない。
(後年学んだが、ロジャース派カウンセリングは自立志向の薄い日本人には効果が少ないことでも著名であるらしい)
この状態は、はたから見れば甘ちゃんそのものだっただろうが、本人にとってはきついとしか言いようがない。
そういう精神的に厳しい時期に、何とかその状況を自分で改善したくいろんな心理療法の本を読んだものだ。薄く、そしてあまり広くでもないが。
大学も日本史学科なのに(卒論が書きやすそうだったからという理由で選んだだけだが)なぜか心理学系や精神医学系の講義ばかりを受講した。
どれもピンとこなかったが、その中で自律訓練法に興味を持ったのである。
比較的有名な、ヨハネス・ハインリッヒ・シュルツというドイツ人が始めた一種の自己催眠法で、やはりドイツの名前が来ると説得力がある、というのもあったような気がする。
これを学んでいくと、その日本導入の草分けが河野良和氏であることがわかった。たしか1960年代のことだったと思う。
これがその著作に出会ったきっかけである。
残念ながら直接面識はないが、この人の仕事は一度調べる必要があると思っている。これほどの仕事なのに、今やその業績が消え去りつつあるのだから。
(間違いなく研究に値すると思う。誰か、お願いできないものだろうか。)
後述するおそらく最後の著作で極めて重要な展開を経ていることから、それ以前の氏の仕事については私はほぼノーマークである。
以下、記憶では…
九州大学の成瀬悟策という催眠心理学の大家の系列の人物だったらしいが、アカデミズムには属することなく、70年代に河野心理教育研究所という個人の心理学研究所を設立されている。
(この点、私がコミットしている岡野先生のサングラハ教育・心理研究所と被るものがある。偶然だろうが)
(この回続く)
私がその著作に出会ったのは、記憶が定かでないが、大学在学中であったと思う。思えば25年以上前の話だ。
大学では、今思えばおそらく人格形成の未熟により、人間関係が築けないという不適応にあった。そのため一度入って退学し、受験に逃げ込んだほどだ。金がないのに両親には迷惑をかけたものだ。
家族関係の大変さもあった時期に重なる。
人は家族の中で人格形成するのだから当然だが、人の親になってみると、親を怨むことなど決してできない。しかし当時は「トラウマ心理学」ものがはやりで、父に無用な怨恨を抱いたものだ。謝ろうにも父はすでにいない。
(トラウマ理論にはまり込んでいる人は、なかなか聞く耳が持てないだろうが、9割方眉に唾してかかったほうがよいだろう。その理由は追ってわかっていただけるものと思う)
当時の事はなぜか、というか当然のこと記憶が薄い。砂をかむような無味乾燥さしか思い出せない。
「友達が作れない」ということに異常に焦りを感じ、語学の授業などはつらいものであった。
学校の教室で孤立するというのは本当にきつい。故・山田花子の自虐漫画が我がことのように感じられたものだ。
蛇足だが、それだけに彼女をネタにした『完全自殺マニュアル』の鶴見某という文字通りのバカにはいまでも怨恨を禁じ得ない(その点は過去記事を参照いただきたい)。
一度大学の無料の学生相談(何せ金がなかったので)で心理相談をしたのを思い出すが、おそらくロジャース派カウンセラーだったと思われる年配の女性は、優しくウンウン相槌を打って聞き取り手元のボードの紙にメモしていくだけで、何の解決にもならなかった。彼女は何がしたかったのだろう?
「アパシーなのかしらね」と言われたが、言われたところでどうにもならない。
(後年学んだが、ロジャース派カウンセリングは自立志向の薄い日本人には効果が少ないことでも著名であるらしい)
この状態は、はたから見れば甘ちゃんそのものだっただろうが、本人にとってはきついとしか言いようがない。
そういう精神的に厳しい時期に、何とかその状況を自分で改善したくいろんな心理療法の本を読んだものだ。薄く、そしてあまり広くでもないが。
大学も日本史学科なのに(卒論が書きやすそうだったからという理由で選んだだけだが)なぜか心理学系や精神医学系の講義ばかりを受講した。
どれもピンとこなかったが、その中で自律訓練法に興味を持ったのである。
比較的有名な、ヨハネス・ハインリッヒ・シュルツというドイツ人が始めた一種の自己催眠法で、やはりドイツの名前が来ると説得力がある、というのもあったような気がする。
これを学んでいくと、その日本導入の草分けが河野良和氏であることがわかった。たしか1960年代のことだったと思う。
これがその著作に出会ったきっかけである。
残念ながら直接面識はないが、この人の仕事は一度調べる必要があると思っている。これほどの仕事なのに、今やその業績が消え去りつつあるのだから。
(間違いなく研究に値すると思う。誰か、お願いできないものだろうか。)
後述するおそらく最後の著作で極めて重要な展開を経ていることから、それ以前の氏の仕事については私はほぼノーマークである。
以下、記憶では…
九州大学の成瀬悟策という催眠心理学の大家の系列の人物だったらしいが、アカデミズムには属することなく、70年代に河野心理教育研究所という個人の心理学研究所を設立されている。
(この点、私がコミットしている岡野先生のサングラハ教育・心理研究所と被るものがある。偶然だろうが)
(この回続く)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます