〈私〉はどこにいるか?

私たちは宇宙にいる――それこそがほんとうの「リアル」のはずである。この世界には意味も秩序も希望もあるのだ。

書評『逝きし世の面影』(渡辺京二著)1

2016-04-16 | 書評『逝きし世の面影』(渡辺京二著)
はじめに 本書は、江戸時代・徳川期日本という、私たちが知っていたようで実は全く知らなかった「われら失いし世界」を、おそらく初めて明らかにした研究であり、たとえそれが著者の本来の意図ではなかったとしても、今や失われた古き日本文明の実質に迫る最良の書というにふさわしい、画期的な業績として評価されるべき名著だと思う。そして本書が示した近代以前の日本の実像を前提としてでなければ、私たちは自身の歴史= . . . 本文を読む