〈私〉はどこにいるか?

私たちは宇宙にいる――それこそがほんとうの「リアル」のはずである。この世界には意味も秩序も希望もあるのだ。

JFK暗殺事件の真相――ジョージ・H・W・ブッシュの疑惑②

2020-11-14 | JFK暗殺事件について
(続き)  さて、前掲の文書中の「テキサス州タイラー」とは、ダラスからおよそ百キロ少々の距離にある都市ある。日本の感覚だと百キロは遠いようだが、米国のスケールでは隣の都市という程度の位置関係にある。  ブッシュはおそらく車で移動中のこととして、「暗殺のあった1時間15分後の時点でタイラーに立ち寄っており、これからダラスに向 . . . 本文を読む

JFK暗殺事件の真相――ジョージ・H・W・ブッシュの疑惑①

2020-11-04 | JFK暗殺事件について
 米大統領選が歴史的な接戦となっている。  今回も驚かされるのが、明らかにリーダー失格としか見えない現職の共和党・トランプの猛追である。  まさしく、私たちは民主主義の岐路を目撃している。  それはさておき、これまで長く取り上げてきたJFK暗殺事件についてだが、のちの大統領たちに関する疑惑をさらに取り上げてきたい。奇しくも、ともに共和党の大統領の疑惑である。  いや、「奇しくも」というより、もと . . . 本文を読む

JFK暗殺事件の真相―リチャード・ニクソンの疑惑②

2020-08-29 | JFK暗殺事件について
 たしかに暗殺されたケネディと大統領選を争い敗北した男、すなわちケネディを政治的に亡き者にしなければならないという動機は十分な男が、その日・その町にいたというのは、単に偶然と片付けてしまうにはあまりに不可解な話だ。  ケネディのパレードは翌年の大統領選に向けた活動の一環でもあった。彼が再戦されれば、ニクソンが大統領になる可能性は閉ざされることとなるのである。  ニクソンはケネディの前のアイゼン . . . 本文を読む

JFK暗殺事件の真相―リチャード・ニクソンの疑惑①

2020-06-01 | JFK暗殺事件について
 以前に書いたように、ケネディ大統領暗殺事件については、映画「JFK」を見て以来ずっと心に引っかかってきた。  しかし映画で描かれたこの政治的陰謀の極めて複雑で広範にわたる事実は、多数の英語文献に当たらないとわからないものであり、それを調べる時間はないと思っていた。  そこで、当ブログでは1963年 . . . 本文を読む

「未解決事件 File.08 JFK暗殺」(NHK)について②

2020-05-06 | JFK暗殺事件について
 この番組は特に後編・episode IIが出色であったと思う。    後編でのポイントは、元CIA高官ロルフ・ラーセンという人物の内部告発である。  彼は番組で、この暗殺事件について「CIA部内における一部の暴発だった」と明言した。  さらにその中心人物として、事件当時のCIA . . . 本文を読む

「未解決事件 File.08 JFK暗殺」(NHK)について①

2020-05-05 | JFK暗殺事件について
 NHK地上波で、連休中の特番的にやっていた以下の番組を見た方は多いと思う。  「未解決事件 File.08 JFK暗殺 episodeⅠ “はめられた”男」(4/29放送)  「未解決事件File.08 JFK暗殺 episodeⅡ 浮かび上がる“黒幕”」(5/2放送)  ケネディ大統領暗殺事件に関しては、オズワルドの犠牲および黒幕CIAという核心部分に触れる言説に対し、これまでずっと「陰謀 . . . 本文を読む

「ダークサイドミステリー  ケネディ暗殺 陰謀論の正体に迫る」(NHKBS、7/11)について ②

2019-07-26 | JFK暗殺事件について
 リムジンに着座した二人の距離は1メートルもなかったと見えるが、もとから非現実的な試算なので仮にざっくりと1メートルする。  以下、まさに番組で取り上げられていた一連のザプルーダーフィルムの決定的箇所のコマを見ていきたい。 ↑223コマ目 ↑224コマ目  224コマ目で起こったコナリーのジャケット胸部の「めくれ」の時点で、すでにケネディは右手をのど元あたりにまで挙げていることに注意願いた . . . 本文を読む

「ダークサイドミステリー  ケネディ暗殺 陰謀論の正体に迫る」(NHKBS、7/11)について①

2019-07-24 | JFK暗殺事件について
 7/11放送のNHKBSの「ダークサイドミステリー  ケネディ暗殺 陰謀論の正体に迫る」という番組をさきほど録画で見た…というよりも「見てしまった」というほうが気持ちとしては正確である。  この事件に関心のある人で視聴した人も多かったと思う。しかしBSとはいえ、そしてエンターテイメント番組とはいえ、とにかくひどいの一言、NHKの見識を疑わせる番組であった。  私事で恐縮だが、光回線テレビに加 . . . 本文を読む

JFK暗殺事件の真相――オズワルド単独犯行説の虚構を暴く 55 コナリー知事夫妻の最重要証言

2018-12-30 | JFK暗殺事件について
○夫人によるコナリー知事の被弾についての証言は「一発説」を否定しており、ザプルーダー・フィルムに見られる状況と一致する  当日朝、公聴会の前に知事夫妻はザプルーダー・フィルムを見せられたらしい。どのような形で見せられたのか定かではないが、コマ送りのスローで映写されたものだったのだろうと推測される。  夫人の見るところ、知事の被弾は映像で229コマ目又はその直後であった。これもまた、委員会にとって . . . 本文を読む

JFK暗殺事件の真相――オズワルド単独犯行説の虚構を暴く 54 コナリー知事夫妻の最重要証言

2018-12-24 | JFK暗殺事件について
(承前)  このどこか奇妙なコナリー知事の公聴会での陳述は、彼もまた大統領の最初の被弾を見たという、重要な一点を隠したものだった可能性が高い。  もしそうだとすれば、それは「大統領が喉を押さえているのを見た時に、自分はまだ被弾していなかった」ということを意味する。つまり、それを「見た」と証言してしまうと、そのわずか一言で政府の公式見解(一発説)を真っ向から否定することになってしまうのだ。  政治 . . . 本文を読む

JFK暗殺事件の真相――オズワルド単独犯行説の虚構を暴く 53 コナリー知事夫妻の最重要証言

2018-12-18 | JFK暗殺事件について
○同乗の三人はいずれも、銃撃の間に「暗殺者は複数」だと感じ取った  ここまでの「音」にすればわずか一回だけの銃撃に対して、先述のとおり被弾したコナリー州知事が咄嗟に「My God, they are going to kill us all」と叫んだのを、ネリー夫人は聞いている。  ここで重要なのは、射撃の主体が複数形「they」で表現されていることである。  この言葉を知事が発したのは「se . . . 本文を読む

JFK暗殺事件の真相――オズワルド単独犯行説の虚構を暴く 52 コナリー知事夫妻の最重要証言

2018-12-15 | JFK暗殺事件について
○コナリー夫人が大統領の被弾を見たその直後「第二の銃声(shot)」があり、知事はこの銃弾によって負傷した  最初の「音」がミスしたはずの「オズワルトの初弾」だったとすれば、その時点ですでに大統領が被弾していたという前述の証言とともに、最も重要かつ決定的なのが、「その後で時間を置いてから知事が銃撃を受けた」というこの証言である。  この聴聞会の時点ですでにオズワルド単独犯行説を既定路線としてい . . . 本文を読む

JFK暗殺事件の真相――オズワルド単独犯行説の虚構を暴く 51 コナリー知事夫妻の最重要証言

2018-12-11 | JFK暗殺事件について
 ○夫人が最初の「音」で振り返ると、大統領が喉の辺りを両手で押さえていた。  これもまた、委員会にとってきわめて不都合な証言だったに違いない。最初の音、委員会報告によれば「first shot」は、オズワルトがターゲット(大統領)をミスした初弾でなければならないからだ。つまり公式説によるなら大統領が被弾したのは「second shot」の後でなければならない。  にもかかわらずネリー夫人の証言 . . . 本文を読む

JFK暗殺事件の真相――オズワルド単独犯行説の虚構を暴く 50 コナリー知事夫妻の最重要証言

2018-12-02 | JFK暗殺事件について
 ○夫人が聞いた最初の「音」は、ライフルの銃声ではなかった。  他の多くの証人が最初の「音」について「ファイアークラッカーと思った」などとしているのと同じように、知事夫人もまた「ライフルの銃声とは思わなかった。ただとても大きい”noise”だった」と語っている。  ここの表現だけが「shot」(「銃声」ないし「発砲」)ではないことに注意したい。この点は以降の証言を通じて「first shot」と . . . 本文を読む

書評 『ケネディ暗殺 ウォーレン委員会50年目の証言 上・下』(P・シノン)

2018-11-29 | JFK暗殺事件について
 P・シノン『ケネディ暗殺 ウォーレン委員会50年目の証言 上・下』("A Cruel and Shocking Act: The Secret History of the Kennedy Assassination" ,Philip Shenon, 2013、邦訳2013年、文芸春秋)は、ケネディ暗殺50年を機に刊行された、渦中のウォーレン委員会関係者のインタビューを中心に構成されたノンフィク . . . 本文を読む