これが私の生きる道

こむずかしいことやきれいごとは
書いてありません。
読みやすさを心がけて書いています。
読んでみてください!!

湊かなえ「贖罪」

2009年11月23日 20時03分57秒 | 読書
今日夢で、ドリカムのボーカルが仲間由紀恵になっていたにも関わらず
それを受け入れてしまった困りもんです。
目とか顔のおおまかな感じは似ているけど、それにしてもねぇ~
中村さんの他にもう一人メンバーがいましたが
それが誰かは全く憶えていません。
だからといって別に自分が贖罪したいわけではありません。
小説の題名です。

昨日の夜から今日にかけて3時間弱で読み終わりました。
何と言ってもこの人の作品は読みやすいのが一番の長所です。
字が大きいので1ページ当たりの字数が少なく
つるつるとページを捲れるのでもうこんなに読んだのかと
自分の読書力に自信がつきます。

取り柄と言えるのはきれいな空気、夕方六時には「グリーンスリーブス」のメロディ。
そんな穏やかな田舎町で起きた、惨たらしい美少女殺害事件。
犯人と目される男の顔をどうしても思い出せない四人の少女たちに投げつけられた
激情の言葉が、彼女たちの運命を大きく狂わせることになる

以上があらすじで、小学校時代に殺害事件に居合わせた四人の女性の独白で
物語は進行します。
ここらへんは前作の「告白」「少女」と一緒です。
問題はその中身までもがほとんど一緒という所です。
もちろん起きた事件はそれぞれ違いますが
読んでいる感覚としてはどれも大差ありません。
そんなもんだから自ずと評価は事件のインパクトに影響されるので
他の多くの方がおっしゃるとおり、
「少女」以上「告白」以下という所に落ち着いてしまいます。

「告白」はその衝撃度ととっつきやすさで爆発的に話題になったけど
形式が同じでは、その衝撃度を超えるしか方法はなくなります。
これは映画「シックス・センス」のシャマラン監督も同じで
いくら全体の出来がよくても
ありきたりのドンデン返しでは飽き足らなくなり
あまり面白くないという評価になってしまいます。
この「贖罪」もつじつまが合わないわけでも、
意外性がないわけでもないんだけど
小説にドッぷりと浸れるかといえばそんなことはなく
読んでいて何か上滑りな感じがします。

それは文才があまりないことに起因していると思います。
アマチュアとしては上手いんだけど、プロとしては物足りないという感じでしょうか、
同じような独白だけで進行する恩田陸の「Q&A」と比べたら
雲泥の差があります。
小説の完成度は高くないので、逆に映画とかドラマにすると
ものすごく面白くなるような気はします。

手厳しいことばかり書きましたが、自分も日常で感じるような
綺麗事への反駁や悪意なんかがそこかしこに書かれていて
そういうところは好きです。
次回作はちょっと目先を変えていかないと厳しいような気がしますが
文章力が上がらないとこの方式以外では読ませられないし
難しいところですね。

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