ピアニスラー

ゴールド・フィンガー、ハイパー・ピアニスト矢沢朋子のブログ

シュトックハウゼン没に思う

2007年12月14日 | 現代音楽
先日、久しぶりにシュトックハウゼンのことを思い出したりしてブログに書いていたら、5日に亡くられたということを10日ごろに知りました。虫の知らせだろうか。

シュトックハウゼンのHPでは最後まで一緒に暮らしていた長年の愛人2名が連名で告知をしています。→ シュトックハウゼンのHP

ヤザワがお会いした88年の時、すでにこの2人は愛人で一緒に暮らしてたわけだから・・・思い残すことは多々あったとしても、幸せな人生だったんじゃないかと思う。合掌。

ピアニストの娘とトランぺッターの息子がいるんだけど・・その母親の妻(?)とは離婚していないんだろうか?それで「愛人」なんだろうか?それとも「2人」だからどちらかを妻、というわけにはいかなくて、2人とも愛人なんだろうか。それとも1人は法律上妻だったんだろうか。

ドイツ人でありおそらくカトリック信者?でありながらイスラム教徒というかライオンのオスのような暮らしをしたシュトックハウゼン。この愛人2名の他にも涙にくれる「崇拝者」としての女性はいっぱいいるだろうなー・・と感慨に耽ったのでした。

どうなんだろう。自分がものすごく愛した男について、同じくらいその男を愛したであろう他の女性と、その彼を失った悲しみを共有するというのは。

案外、いいかもしれない。逆に1人で看取るより癒されるかもしれない。一緒に暮らしだしたり、付き合い始めはもしかしたらキツかったかもしれないけど、この2人は親友というか姉妹(汗)としてずっと仲良く暮らすかもしれない。

などと世間が訃報で騒いでいる時に、ヤザワは妙な感慨に浸っていたのでした。

クラリネット奏者の方の彼女は・・ぼんやりと覚えてるけど・・「草食」って感じのフェミニンで地味な感じで純粋そうな印象がある。「アタシとあのオンナとどっち取るのよ!?」とか怒ったり詰め寄ったりしそうになかったなー・・と当時も感心してた覚えがある。シュトックハウゼン本人は:「スター!しゅとっくはうぜん!」という風情なんだけど、ロック・スターのような女の趣味ではなかった。びっくりしたけどいやらしい感じがしなかったのは:金髪&グラマーのフェロモン女じゃなかったからか。

これだけオス度が高いと、もう男尊女卑とか超えて、そんな暮らしもいいのかもしれない。シュトックハウゼンと夫婦2人、とかだったら消耗して(汗)疲れ果ててしまうので3人でちょうどよかったのかもしれない。

何か国語も流暢に話し、ファッションにもこだわり(全身白。フリフリブラウスとか)、作曲家にしてはバイタリティに溢れたフェロモン系・・というんでしょか。ともかくエネルギーを発散!してるという感じでした。お会いした当時58歳ごろ?20代の頃のハンサムな写真を見ててお会いしたので、既に「ずいぶん年取ったんだな」とは当時思ったけれど。それからは基本、最近までは同じ路線な感じ。

なんか宗教とかじゃなくて、そんな3人での共同生活も楽しいかもしれない。ヤザワと暮らしてくれる2人の男性なら:1人はお料理が上手でもう1人はコンピュータに強くてキレイ好きの片付け上手がいいな(←世界の中心はヤザワの真下)。音楽家でなくてもいいから、体毛が薄めで美尻で美肌な白馬のような感じが望ましいかな。(←5年ほど言ってるし。前と好みが変わりました)そんでヤザワの没後は(ヤザワを看取るのでヤザワより若い)2人仲良くヤザワの墓参りをしたり思い出話をしたりして老後も兄弟として寂しくなければヤザワも安心だし。ホントの弟は寄り付かなくなるかもしれないけど。。愛人2人が喪主だなんてカッコよすぎ。

というような夢も与えてくれたカールハインツ・シュトックハウゼン。カッコイイ音楽を創ってくれてありがとう。もっとやりたいこともあっただろうけれど、仕事も私生活も総じてカッコいい、憧れる生き様でした。ベートーヴェンの系譜上に自分はいる、と仰っていたように、「雇われ音楽家」ではない本当に自立した音楽家でした。

今日は追悼に久しぶりにKlavierstuck5を弾いてみました。




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