足繁く図書館に通ってます。お目当ては:「カムイ伝」白土三平著。
本の整理もしてるところだし、これ以上増やしたくははいので、もう図書館にない本しか買わないことにしてるんです。
それでも専門書とかけっこー買わなくてはならないから増えてくのよね。マンガは捨てられないし・・
とか言ってるから荷物が減らないのよね。マンガも捨てるかなー
「カムイ伝」は図書館に入っていました
「ベルサイユのバラ」も入ってるし
自分のコレクションとしては、やはり絵のキレイな「少女マンガ〜」を残して、他は処分してしまおうか思案ちう。
「カムイ伝」は自分用のコレクションにはならないものの、図書館の蔵書となっているのは納得の内容
日本人は:「頑張っても頑張らなくても同じ」とか、「長いモノには巻かれろ」的な態度のヒトが多いなと常日頃から感じるんですが、その気性のルーツは「カムイ伝」に描かれてることなんじゃないかと思いました。政治に関わらないスタンスを取ることも、江戸時代に叩かれすぎてトラウマとして遺伝子に組み込まれているのかもしれない。
陰湿なイジメも士農工商の名残なのかもしれないですね。インドもカースト制度のおかげで大変そうだし。
ヤザワは高校からヘンな学校(笑:桐朋学園女子高等学校音楽科ー共学)なので、クラスの中で仲良くなるというよりは、能力別の授業が多かったので、同じ能力レベル同士が友達になっていました。特にソルフェージュは:はっきりと「A〜E」に分けられて、AとCとかDが仲良くなるというのはあまりないわけです。ちなみにヤザワはDでした
と言うと、「そんなバカな それでどうしてあんなに難しい現代曲が弾けるのあっそうか。桐朋のDだから、Aとかは指揮者になるような学生で、Dでもフツーにすごく出来るのよね?」
とか言われるけど、Aの授業はもちろん、BもCもEの授業も受けたことがないので、どれほど能力が違うのか、どんなことを他のクラスの授業ではしてるのか知らないんです。これぞ真の階層社会
卒業後、しばらくして私が現代音楽を弾くピアニストになってるらしい。と聞いた同級生はさぞかし不思議に思っただろうな。「らんこが現代音楽ピアニストらんこ、ソルフェ、DだったよねそれともAとE以外、B、C、Dの(能力)差というのは、元々そんなにはなかったのかな」と思っただろうな〜
他のクラスのことは知らないのであくまで憶測だけど、そうなんじゃないかと思う。「士」意外は「農工」で、Eが「商」。あまり能力高いと儲けられないんですよ。一般向けじゃなくて
「カムイ伝」を読んでいて、まあ中世の時代というのは権力者は残虐で幼稚というのは世界共通にしても、近代化されるにうちに階級を越えて接触する機会というのはなくなっていって、故に階級が固定化された階級社会になるわけだよね。特にヨーロッパ。フランスなんて革命まであった国ですら厳格な階級社会だったのは、(かつては)「一億総中流」の日本人からすると不思議な感じだった。
でも「みんな中流」というのは、「みんな農工」の人口が増えてただけで、「士」というのはやはりいたんだよなー。結局、80年代後半にかけて「小金持った農民」というのが日本人一億の真の姿だったのか。
とか思いながら読んでます。今8巻終わったところ。これからが
異質なモノを強力に排除する、お互いに監視して異質にならないように努力する気質は先進国の中でも群を抜いているのではないでしょうか。女同士で「(着てる服が)派手〜」とか牽制されたり、田舎男に「化粧が濃い女ってさぁ」とかセクハラされる度、別にアンタの女じゃないし、アタシが何着ようとアンタに何の関係が?とか思ってたワケです。
それも江戸時代からの「密告」のトラウマなのかもしれませんね。あんだけヒドい目に遭ってれば、デモやら政治的発言なんかしないで、「お上に目をつけられないように」するわな。
何世代経てば、日本人は民主主義というものが理解出来るようになるのか、畏れずに発言出来るようになるんだろうね。
特殊な環境で育ったせい(みんな他人興味ナシ:笑)で、沖縄に来て初めて体験したことに:グループとか待ち合いで、遅れて行ったり、久しぶりの顔出しだと、自分が行く前に、そのグループで自分の噂話をしていたな、という雰囲気なんです。だいたい顔つきと空気感で何を話してたか分かるんだけど、なんで他人のことが話題になるのかな?と不思議でしたね。しかもフツーに友好関係を維持する気はあるのよね。裏で色々言ってるくせにありえないよね?
と東京の友達に言ったら:「そりゃ田舎だからだよ悪気じゃなくて、まだ人権とか個人情報という意識が低いんだよ」と笑われました。街が活性化して人口が増えれば犯罪も増えるので、そこでようやく都会のように気をつけるようになるのかもね。
そういえばヤザワ母も東京人なのに他人の噂話が好きだったなー。私にもよく話しては:「全然・興味ないし、バカになりそうだからヤメてくれない?」とか言われてたな。風呂に入れば大声で歌ってたし。当時は風呂が1階にある家だったんです。「風呂で歌うのヤメてよここが風呂だ、って世間に公表してどうするの」と怒ってもやめなくて、ある日、風呂を覗かれて以来、ようやく歌わなくなったんですけどね。「覗いた方もババアでびっくりしただろうね。これでもう来ないだろうから歌っても大丈夫なんじゃない」と言ったけどヤメてました。
まあ何が言いたいのかというとー
民主主義というものが理解出来ていない唯一の先進国の民とか、陰湿な性格でイジメが大好きな国民性とか色々あっても、「カムイ伝」からここまで進歩してきたんだよなー
と思ったわけです。
食事だけは現代よりは前に戻ったほうがいいとは思いますけどね。現代人は食べ過ぎてかつての貴族のような病気ばかり。江戸時代の人がタイム・スリップして現代に来て、現代日本人の食卓に着いたら「おえぇ〜 」でしょうね。明治維新まで日本人は肉なんて基本食べなかったんですからねぇ。
夕食
江戸時代の農民はこんなには食べられなかったはず。肉とか魚、卵がないだけでゴージャス
これなら江戸時代の人も喜んでくれそう。
9巻以降が楽しみー・・と言うには、けっこーヘビーな内容なんですけどね。
東京生まれで育ちなので、初めて知る江戸時代の階級社会。関西出身の友人とかには「東京ってそうなんだよねえそういう教育がないんだってねえ」と言われますが、知ってはいたけど、詳しくは知らなかった。そういえば初めて知ったのもパリで関西出身の日本人に教えてもらったんだった。「不思議な話をするヒトだな?」と思ってフンフン聞いていたけど、けっこーエゲツない意識ではあるな。
階級社会の「下」の方ではなく、「上」がどのように考え、統治し、民を圧政していたのかを知るのは大事なんじゃないかと思って。
図書館に行ってきまーす