事務所の1階にあるダイビングショップにヤシガニ(島名:マクガン)が保護されている。
ヤシガニは、陸上生活最大の甲殻類で(ヤドカリの仲間)、絶滅危惧種に指定されていながら多良間島で保護条例があるのみという乱獲野放しの不思議な生物なのである。
また、ヤドカリと言いながら、あまりの大きさに宿となる貝がないため自らの腹部を堅い殻に仕立てあげ、その中に身を隠すというワザをもち、脱皮して30日余り次の堅い殻ができるまで引きこもってしまう。
ヤシガニにまつわるお話をご紹介しよう。
1.ヒトを食う
口に入るものなら何でも食う超雑食性で、風葬時代の宮古島では、墓におかれている遺体までも食べていたとされ、島内でも絶対口にしないというところもある。ショップでは、確かに、与えられるものは何でも食うらしい。
2.ヒトを倒す
何でも食べるという事から食べたものによっては、肉に強烈な毒性を持つものもあり、嘔吐・痺れ等の中毒症状を起こすことがあり、過去には島で死んだ人もいる。
3.ヒトを殺す
その名の通りヤシの木に登り、ハサミで穴をあけて実を食べるが誤って実を落とすことがあり、下を通行中のヒトにあたって死なすことがあるらしい。
4.ヒトところにとどまらない
保護されている金網の下部には受け皿をつけてあるが、金網を広げて脱走した輩もいるらしい。でも網をひっくり返して保護されている金網ごと逃走する知恵まではない。
それにしてもあまり食欲の起きる相手ではない。むかーし食べたことがあるが、たいしておいしいものでもないし。
結構長命と聞くので、足を広げて1mになるまで生きていて欲しいが、それまで脱走せずに保護されているだろうか?