〝#13〟永久欠番を考える

2018年11月28日 | 井戸端会議
『永久欠番とは』
背番号などを使用するスポーツにおいて、多大な功績を残した人物の使用した背番号を、その人物の栄誉と栄光の歴史を末永く称えるために、団体内で対象となった人物のみが使用できるように欠番にした番号をいう。

では、NPBにおける永久欠番となった背番号を持つ選手たち。

□中日ドラゴンズ
#10、服部受弘氏。
#15、西沢道夫氏。

[背番号10 服部 受弘氏]
1939年、当時の『名古屋軍』に入団し、1941年には本塁打王を獲得。途中、世界大戦中には応召を受け軍務につき、戦後1946年に復帰を果たした。この歳から投手に転向し、カットボールを使い、5年連続で10勝を超える記録を残した。
1954年には球団初のリーグ優勝、そして日本一として輝き、その勝利に貢献した。戦前、戦後の過酷な環境下で日本プロ野球界の創世期を支えてきた服部氏の背番号10は中日ドラゴンズの永久欠番として指定されている。コーチ、助監督を現役選手として兼任することもあった。

[背番号15 西沢 道夫氏]
服部氏同様、西沢氏も、戦前、戦後の日本プロ野球界を作り上げ、発展に貢献してきた選手だった。戦前では珍しい182cmの長身を活かした速球で、1942年にはノーヒットノーランを記録。世界大戦中は応召をうけ、兵役中に肩を痛め、ロッテの前身であるゴールドスターに移籍、打者として活躍することとなる。
また、1950年には、5本の満塁ホームランを決め、現在でも日本記録となっている。

□読売ジャイアンツ
#1、王貞治氏。
#3、長嶋茂雄氏。
#4、黒沢俊夫氏。(初の永久欠番)
#14、沢村栄治氏。 
#16、川上哲治氏。
#34、金田正一氏。

□阪神タイガース
#10、藤村富美男氏。 
#11、村山実氏。
#23、吉田義男氏。

□広島東洋カープ
#3、衣笠祥雄氏。
#8、山本浩二氏。
#15、黒田博樹氏。

□横浜DeNAベイスターズ
なし

□東京ヤクルトスワローズ
なし

□東北楽天ゴールデンイーグルス
#77、星野仙一氏。
#10、楽天ファンの為。

□オリックスバファローズ
#1、鈴木啓二氏。(オリックスと近鉄が合併する前の近鉄バッファローズの永久欠番。)

□埼玉西武ライオンズ
#24、稲尾和久氏。

□北海道日本ハムファイターズ
#100、大社義規氏。(初代オーナー)

□福岡ソフトバンクホークス
なし

□千葉ロッテマリーンズ
なし

【岩瀬仁紀の背番号#13】
今秋2018年シーズンをもって現役にピリオドを打った岩瀬仁紀投手。実績十分(初登板から20年、前人未踏の1002試合登板、入団から15年連続50試合以上登板、史上最多407セーブ、最優秀中継ぎ投手3度、最多セーブ王5度獲得。等々)

数えきれない程の栄光と功績を称え、背番号#13を永久欠番にとの声が多くのファンから寄せられてる。
中日ドラゴンズの長い歴史の中において偉大な投手であったこと。そういった背景を考慮して中日球団は〝#13〟を永久欠番にするのか、はたまた継承するのかをファンにしっかり示して頂きたい。

しかし、近年中日球団の歴史を築いたレジェンドに対する背番号の扱いはファンにとって疑問が残るものがある。
2009年引退の立浪和義、2015年引退の山本昌の2人の名が上がる。

立浪氏の場合はファンから〝#3〟を永久欠番にしようと言う署名活動も発生したが、球団は三塁手の後継者にあたる森野将彦(現コーチ)に翌年から継承させると発表。森野氏が辞退したため実現しなかったものの、結局1年の空白期間を置いた後、PL学園の後輩である新人の吉川大機(現、讀賣)が背負うこととなった。
結果、本人には重すぎる背番号となった。

山本氏の場合〝#34〟は、間をおかず引退翌年入団の左腕・福敬登が受け継いだ。山本自身が永久欠番にこだわりを示さず、左腕投手への継承を望んでいたという事情もあった。だが、32年間一人の投手が背負った背番号を、あっさり新人に渡してしまう球団の対応には、猛反発するファンも少なくなかったはず。

〝継承〟もレジェンドの功績を称えるひとつの形だが…。

決して〝永久欠番〟だけが全てというわけではない。
栄光の背番号にふさわしい選手がいなければ〝継承〟の前に〝準永久欠番〟〝名誉番号〟という扱いで空白期間が設ければ良いと思う。
例えば、オリックスからメジャー移籍したイチロー氏の#51は、球団合併という中でもうやむやにはされず、偉大であったこそ未だ空席のままである。
逆にオリックス以外の他球団は将来性のある三拍子揃った選手に#51を与える傾向がある。
岩瀬投手の代名詞〝死神の#13〟が各球団の抑え投手が憧れる背番号になって欲しい。

今日の中スポに〝準永久欠番〟と記事があった。
20年以上ゲームの勝敗を分ける大事なハードポジションで投げ続け、チームの勝利に貢献してきた岩瀬投手に対するファンの思い入れは、上記にある名だたる永久欠番となった選手に劣らない程の実績か、それ以上のものがあるはずだ。継承という形を選択するなら、後継者にふさわしい選手が現れるまで空白期間を設けないと僕らファンは納得しないだろう。
ただ、果たして今後〝#13〟を背負うにふさわしい選手が出てくるのだろうかとも思う。


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