urauranus(ゆり)のあけてびっくりおもちゃ箱

「枡野浩一のかんたん短歌blog」にトラックバックで投稿するためのblogでしたが…??? 日々の記録……記憶。

赤いキティちゃんの自転車

2009-08-18 19:20:21 | Weblog
昔話。
小学1年生になって、自転車を買ってくれるというので、家族で自転車屋さんへ歩いて出向いた。
田舎の、昔からある古くて暗い、広くもない店の中に、赤いキティちゃんの自転車はあった。
赤いキティちゃんの自転車はキャラクターものだからか、他の自転車より高かったようで、
「こっちにしなさい」と母親は言ったのだけれど、
「これがいい、これじゃなきゃヤダ」とか言って、買ってもらった。
キティちゃんの自転車に、補助輪はついていなかった。
まだ補助輪のない自転車には乗れなかったので、わたしは引いて帰り始めた。
乗れなかったけど、引いて歩いているだけでわたしはとてもうれしかったし、満足していた。
しかし、恐怖の大魔王(母親)が
「乗って帰れ、練習しながら乗って行け」と、言うので、しかたなく自転車に乗り、
「ちゃんと持っててよ」って頼んだのに、
「持ってる」と答えたくせに、
自転車をこいだわたしは、脇のあぜ道を落ちて田んぼの中に自転車ごと入っていた。
田植えの時期で、苗が植えてあり、赤いキティちゃんの自転車もわたしもどろどろになった。
泥だらけになったかわいいわたしの赤いキティちゃんを引いて、歩いて家まで帰った。
とってもかなしかった。
家につくと、泥にまみれた、ちょっとくすんだ雨蛙色のワンピースを着替えた。

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