陽だまりの中のなか

前田勉・秋田や詩のことなど思いつくまま、感じたまま・・・。

南三陸の島

2011-09-26 | 地域・社会

過日、所要があって気仙沼市から南三陸町方面を通過した。

どこかで、インターネットで見た凄まじい情景が頭をよぎって言葉少なくなった。

気仙沼の市街地入り口あたりは何回か訪れた時の町並みであったが、

市役所を左に見て進み右折すると、そこからは別世界であった。

瓦礫片づけが進んでいたこともあり家屋のコンクリート土台だけが並んでいたが、

時折、ぽつんと残っている骨組みだけの家屋があって、

凄惨さが象徴されているようで辛かった。

街は何も無く平面で、道路は沈下し砂利道。岸壁の海面とほぼ同じ。

海面が浮き上がっているような感じで怖い。

 

気仙沼を後にして南下する。

ごくごく当たり前であったはずの集落や浜辺の風景、商店街であったであろう通り、

何もなく、コンクリートの土台だけが両側に続く。

時折、ボランティアらしき集団が休憩していたりする。

南三陸町に入ると、

あの、防災無線で最後まで避難を呼びかけていた女性職員がいたと思われる

鉄骨だけになった4、5階の庁舎らしき姿が遠くに見えた。

流されずに残った6階建てのアパートの、4階のガラスが割れたまま。

 

言葉が出なくなって砂利道になっているでこぼこの国道を通ると、

プレハブ建てのガソリンスタンドがあったので給油する。

結局、何も言葉を出すことなく、つり銭を手にして発進する。

会釈するだけが精一杯だった。

(言葉はどうした、言葉は)

 

南下して志津川を通過する。

左に蒼くあおく澄んだ海が広がり、何事も無かったように

(おそらく、地元の人にとっては変わらない島の姿)

島がプカリと、イタリア映画にでも出てきそうな格好で浮いていた。

 

 

 

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