著者にとっては実に11冊目の詩集。自然体の言葉が優しく読み手に入ってくる作品が多く、殊更ストーリー性を持たせたりもせず、自身の日常から感受した世界を表している。じっくりと身の回りを見ている姿勢が伝わってくる。
「畳む」 洗濯バサミに挟まれた/洗濯物に/夕日の手が触れる/≪ふんわりと軽い/ こんなふうに一日を畳めれば/ほかに何も望まない/ 町を鳥瞰できる/小高い陸橋から/遥か遠く聳える山稜を仰ぐ/ 夕陽が山稜の輪郭を/スッキリ畳む/そのように今日を一枚いちまい畳み/昨日に重ねる/ すっきり畳めない洗濯物は/ずれた折り目を夕日に返し/言葉をかけてもらう/夕陽に立って/ あすの洗濯ものはすっきり畳みたい/
2015.12.11発行・歩行社