成田豊人さんの『自選 成田豊人詩集』が刊行された。
成田さんは北秋田市住、秋田県現代詩人協会会員、日本現代詩人会会員、詩誌「Komayumi」編集発行人。
成田さんは26歳の時に処女詩集『北の旋律』を刊行してから、2年前の2021年『夜明けのラビリン
ス』まで実に8冊の詩集を刊行しているが、このたびは、その8冊の詩集から41編を”自選”した文庫本サ
イズで刊行。巻末には、2014年に詩集『夕顔』で三好達治賞を受賞された青森県詩人連盟会長の、藤田
晴央氏が26ページにも及ぶ「解説」を寄せている。これだけでも、成田さんと藤田さんとの交流の深さを
推しはかることが出来る。素晴らしいことだ。
手に取った時に思ったのは、率直に言えば「なぜ今、自選集なのだろうか」ということであった。
そういえば・・・という仮定は適当ではないが、数年も前から「Komayumi」の編集後記だったか、それ
とも何かの会の時であったか、「詩は青春の文学という思いがある。詩をやめ俳句を書きたいと思う」とい
うようなニュアンスの発言があったのを記憶している。その事だろうか?あるいは、同誌第38号のあとが
きで、「最近、なぜ詩を書いているのだろう、とか、詩を書いて何になる、と思うことがある」と吐露し、
「高校生の頃から書いているのだから、作品の数と質はともかく50年は書いている。(略)詩集は7冊ある
が、ほとんど評価される事もなかった。かなりのエネルギーと金を消費しながら、どう見ても自満足そのも
のに過ぎない、と自分に呆れている」と述懐している。冷静に立ち位置を自己分析していると感じたが、
その事だろうか・・・。
同世代の一人として詩を書いてきた私にも、実は同じような感慨がある。が、さて、さてさて・・・。
いずれにしても、成田さんは詩に関するイベントがあれば県内外を問わず出掛けることも朗読することも
講演することも積極的な人。その線状の活動と受け止めた。
既刊詩集の自選集につき、作品への感想を控え紹介だけとした(成田さんには叱られるが)。
発行日 2023年6月18日
著 者 成田豊人(なりた・とよんど)
出 版 書肆えん
秋田市新屋松美町5-6
頒 価 1,800円(税込み1,980円)
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