上野動物園のとなり、東京都美術館での福田美蘭の個展のとなり、で開催されていた。
【ルーヴルの「女神」、来日。】のキャッチにつられて入場した。
その女神は「ギャビーのディアナ」(100年頃制作)、確かに小柄で清楚だけどセクシーで美しい。
私的には同時展示されていたパリス王子の彫像(130年頃制作)と絵画(1780年頃制作)も美しいと思いました。
それにしても2000年ほど前のギリシャ彫刻、ローマ彫刻の美意識と繊細で写実的な造形技術は凄いと思います。
どの展示品も時代を感じさせないキレイさ(日本美術には経年劣化品が多いと感じる)に驚きました。
今回もルーヴル美術館収蔵品の一部公開でしたけど、「ロゼッタ・ストーン(レプリカ)」等の出土品のレプリカあり、クレオパトラの彫像あり、時代を写す工芸品あり、絵画ありと予想以上の展示数(200点以上)で見ごたえ十分だったということは、本家ルーヴル美術館の規模はどれほどのものなのかと思いを馳せました。
独特の作風(森村泰昌とも違う)とともに興味があった画家の個展がスタートしたので、出かけてきました。
作風は父の福田繁雄(グラフィックデザイナー)の発想、着想に近く、血筋はあるのだと思いました。
(先月、岩手県立美術館に行った時、常設展示室で福田繁雄作「Expo’70」他のポスターを見ましたが、つながりは戦時中に母の郷里の二戸市に疎開していた縁で400点のポスターを寄贈したらしい)
どの展示品も好きになりますが、「レンブラント-パレットを持つ自画像」という作品はドラえもんとのゆかいなコラボでタイムスリップ気分になり、祖父の林義雄(絵本画家)へのオマージュ「涅槃図」では童話キャラ総動員の賑やかで楽しそうで癒されます。
一方では、東日本大震災にインスパイアされて製作した春・夏・秋・冬タイトルの「秋-悲母観音」(元となった狩野芳崖作は母校の東京藝術大学が収蔵している)の背景に描かれている、津波で海に流されて行く車や家屋の描写に、あの時あ然として見ていたNHKテレビの生中継が再びよみがり、鎮魂の気持ちにさせられます。
そんな様々な表現の作品約70点とそれぞれの絵の説明文に美術感も触発されて、大満足な時を過ごせました。