切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

NODA MAP番外公演「農業少女」

2008-08-20 00:00:00 | 芝居日記(ex.伝統芸)
以前CSチャンネル「シアターテレビジョン」で放送されたものを録画してあって、そのまま見てなかったんだけど、歌舞伎座で「野田版愛陀姫」を見た勢いで、見てみました! 深津絵里って、凄い!!

深津絵里、松尾スズキ、明星真由美、野田秀樹の4人による芝居「農業少女」。

もちろん、野田秀樹の芝居ですから、ストレートに「農業問題」を語っているわけはありませんが、田舎から出てきた少女の変転と彼女を取り巻く人物たちのドラマ。そこには、自意識やら、幻想やら、ファシズムが絡んでいきます。

で、例によって言葉の洪水であるこの芝居の白眉は、なんと言っても深津絵里。

膨大な言葉の物量といった感じの台詞を、淀みなく、勢いよく、話し続けるパワー。あるときは少女、あるときはオンナと変幻自在の彼女の身のこなし・・・。

わたしは、深津絵里にあんなに色っぽい芝居ができるとははじめて知りました。

松尾スズキも素晴らしかったのですが、深津絵里のパワーにわたしは終始圧倒されっぱなし。

この舞台を生で見たひとたちは、どんな思いで家路についたのかな~。

「戯曲集とは、結局のところ、設計図集に過ぎないということ」を教えてくれるのは、役者、それも女優なんだってことなんでしょうねえ~。(ここでは、女優のいない歌舞伎はどうなるんだって、突っ込まないでね!)

というわけで、ほとんど言葉になっていませんが(笑)、当分、最後に流れるドヴォルザークの「新世界」の第二楽章が耳から離れないだろうなあ~。

誰か、録画した人から借りてでも観て下さい。傑作!

NODA MAP 『赤鬼 ロンドンバージョン』(以前書いた記事)

二十一世紀最初の戯曲集
野田 秀樹
新潮社

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