
打ち上げ成功 H2Bの初号機

大型貨物の運搬ができる唯一の手段、無人輸送機「HTV」
9月11日はアメリカにとっては最悪の記念日ですが、日本のこの日は宇宙開発の歴史に、意義あるページを加えた日になります。真夜中の午前2時1分に種子島宇宙センターから日本の最新鋭ロケットH2Bが、無人輸送機「HTV」を積載して、 打ち上げに成功 しました。
来年はアメリカのスペースシャトルが老朽化の為に退役しますので、大型の機材を国際宇宙ステーション(ISS)に運ぶ能力のあるのは、この日本のHTVだけになります。2010年のシャトル退役後は、アメリカ・NASAのプランには7年間の空白があり、米国独自には、大型機材を搬入するのが実際不可能になっていたわけです。それだけに今回の成功は、世界的にも意義のあるものです。NASAのカーカム部長もシャトルが引退することを思うと、HTVの補給能力に頼らざるをえないと語っています。
このH2Bロケット(H-IIBロケット)は国内最大の大きさで、ISSでの実験装置などを積んで届けるために開発された。宇宙輸送機「HTV」は約15分後に無事分離された。これからは18日に国際宇宙ステーション(ISS)と結合する予定になっている。7年の空白があるということは、端的、直裁に表現すれば「ほどんど開発は絶望的」と言っているに等しい。
我が郷は……のクラシックジャンボが退役でも触れられていますが、アメリカの実体経済、とりわけ最先端で得意分野に於いても、米国産業が骨粗鬆症 に罹患してしまっているのは、じっさい現実で、それが次々と露呈し始まっている。
医療分野に於いても、国民皆保険制度の問題でオバマ大統領は困難に突き当たっている。新型インフルエンザはもしかすると、新手の経済バイオテロの可能性があると、我が郷では書いてきた<新型インフルエンザと深海の疑惑>。911事件に見られるように、アメリカの良心が支配層のあいだではそうとう程度蝕まれてしまった。北朝鮮の核開発に対して米国は何ら有効な手立てを取れないままに、推移してしまっている。北朝鮮の核兵器の運搬手段の完成と洗練には一定の、時があるようにも見える。しかし、安全保障には「多分」は許されない。アメリカの核の傘はすでに、ボロボロと見なしておかねばならない。
日本国の政治は時代遅れの、GHQ占領政策を未だに引きずっている。従米背広組の自衛隊官僚機構はもとより、第二の「住専問題」つまり農林中金の対米不良融資問題を隠蔽したままの、農水産官僚機構、それと小泉に象徴される構造改革提灯政治家、これらは戦後レジームそのものである。スペースシャトルより遙か昔から、制度疲労は限界に達している。民主党がこれから政権を担当するわけだが、これも弥縫策にすぎない。はたして民主の議員のどれほどが、日本の安全保障の隠された骨粗鬆症 を診断できているのか。はなはだ、心許ない。
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